昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


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イトイラズのびん

おまんじゅうのような、妙に丸くて平べったい小びん。『イトイラズ』という分かりやすい名前の、戦前の接着剤のびんである。都内の骨董市で見かけ、この可愛らしいフォルムと目立つエンボスに惚れて購入した。高さ38ミリ、直径43ミリ。
f0205097_22591244.jpg

びんの上部外周に沿って、『専売特許 第一一二四五二号』というエンボスがある。その下には『松惠製薬所』とある。
f0205097_22533492.jpg

鉄の蓋にも『特許』の文字が。
f0205097_2253521.jpg

妻が特許電子図書館というものを教えてくれたおかげで、このびんの素性を調べることができた。
まず、このびんの特許出願は昭和8年12月4日、特許の成立は昭和10年9月17日となっている。発明者は『大渕 親』氏。
このびんの特許に関する明細書によれば、『…油脂類ヲ豫メ乳化セシメタル後之ニ「ラテックス」ヲ混和シ且之ヲ摂氏七五-一七〇度ニ加熱スルコトを特徴トスル…』というあたりがこの製品の特許請求の範囲である。また、用途に応じてパラフィンやアスファルトを添加し、強い接着力を実現したらしい。

確かにその謳い文句は真実だったようで、このびんを買った時は中身がすっかり固まった状態で入っていて、蓋もがっちり閉まってびくともしなかった。お湯に漬けたり、蓋の隙間から硬化した樹脂を掻きだしたくらいではどうにもならない。しまいにはびんごとアセトンに数日漬けてなんとか開けることができた。中にはゴムの塊のようなものが貼りついていたので、ラジオペンチで無理やり引っ張り出した。なるほど、これは確かに強力な接着剤だなあと納得した次第。

しかし、このびんについてネット検索してみても、情報がほとんどない。唯一引っかかったのは北海道でビーチコーミングをされている方が拾われたということくらいで(水色のタイプ!)、昭和の歴史の彼方に忘れ去られつつあるびんのようだ。大事にしよう。



…という記事をアップしようとしていたその矢先、なんとその拾った方からコメントがあってびっくり! タイミング良すぎ! 偶然というものはあるものだ。
それにしてもこんなびんを海岸で見つけるなんて素晴らしい! できることなら、私も骨董市でなく海で見つけたかったなー(笑)
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by isohaetori | 2011-01-15 23:01 | 昆虫以外の趣味 | Comments(13)
Commented by canismajoris-146 at 2011-01-16 14:16
 こんにちは!ユキです。

 早速読ませていただきました!!接着剤だったのは驚きです。製薬所の文字からてっきり薬壜だとばかり思っていました;
 壜の色は茶色もあるのですね・・・私のは水色のような薄く緑がかったような色です。
 写真もエンボスが鮮明に写っていて、うらやましいです・・・;
 私の壜は色が薄いためか、エンボスがうまく写りません・・・。
 蓋も確認できてウレシイです。ガラスの口の形状から、スクリューだとは思っていましたが、蓋にもエンボスがあるとは!

 ず~っと気になっていたイトイラズの正体がわかって、とてもスッキリしました♪ありがとうございました。

 私のブログでも紹介したいので、コチラの記事&BLOGをリンク貼らせていただけないでしょうか・・・?
Commented by 尚 nao. at 2011-01-16 22:21 x
おもしろい壜ですね。
壜の大きさに対してエンボス文字が大きいというか、多いというか(笑)
接着剤なのに「糸いらず」とはどういうことでしょう?
縫わなくていいってことかしら。
Commented by いそはえとり at 2011-01-17 18:58 x
ユキさま
お役に立てたようで何よりです! 
びんにせよ虫にせよ、できるだけ人の役に立つ情報を載せたいと思ってやっているブログなので(たとえ少数の人しか喜ばないようなマニアックなネタであっても)、こういうお返事をいただけると非常に嬉しいです。

リンクの件、もちろん大歓迎です。こちらのブログにもリンクを貼らせていただきますね。
今後ともよろしくお願いいたします。

尚 nao.さま
この堂々たるエンボス、びん好きなら反応しちゃいますよね!
名前の意味合いは仰る通りだと思います。針と糸で修理することの多かった時代ならではの命名で、なかなか秀逸ではないでしょうか。
現代人にはピンとこないかもしれませんが(笑)
Commented by canismajoris-146 at 2011-01-17 19:35
 リンクの件、ありがとうございます♪
 早速、貼らせていただきました。これからもよろしくお願いいたします♪
Commented by isohaetori at 2011-01-17 19:47
ユキさま
確認しました! 早速のご対応感謝です!
Commented by Yotazo at 2011-04-11 16:04 x
はじめまして、Yotazoと申します

先日、骨董市でこちらと同じイトイラズを買いました
・・・が、蓋がビクともしないので悩んでいたところ、
こちらの記事を見つけ、同じようにして無事開けることができました
とても参考になる記事、感謝感謝です!
ありがとうございました!

さきほど、イトイラズの記事をアップしました
箱の写真も載せておきましたので、よろしければご覧下さい^^
それでは失礼致します
Commented by いそはえとり at 2011-04-11 21:20 x
Yotazoさま
はじめまして!
イトイラズで人の輪が広がってるみたいで嬉しいです! あのびんに大小があったとは知りませんでした。箱も素敵ですねー。私も欲しいっ! 頑張って探します。

実は、Yotazoさんのブログは以前からこっそり読んでおりました(笑)。いつも目の保養をさせて頂いております。
当ブログからリンクさせてもらってよろしいですか?
Commented by Yotazo at 2011-04-12 10:36 x
当方のブログへのコメントありがとうございました!
思いもよらぬ変なモノで人の輪が広がるのもなかなか楽しいですね。
リンクの件、もちろん大歓迎です。
こちらからもはらせていただきたいと思いますので、
これからもよろしくお願い致します!
Commented by isohaetori at 2011-04-13 00:08
Yotazoさま
ありがとうございます!
リンクに加えさせていただきました。
今後ともよろしくおねがいいたします。
Commented by へんぺい足 at 2011-08-29 20:23 x
初めまして
当方もイトイラズの瓶を最近入手しましたが
開かずの蓋。カッチカチ!
なんとかと思いYotazoさんのブログを思い出し
いそはえとりさんのアセトンにたどり着きました。
今日、早速会社でビーカーにアセトンを入れ
漬けこんで来ました。数日かかるとか?
開栓が楽しみです。
又、リンクさせて頂きます!
今後とも宜しくお願いします。
Commented by いそはえとり at 2011-08-30 22:30 x
へんぺい足さま

はじめまして! コメントありがとうございます。
アセトンに数日漬ければ、多少フタが緩むと思います。開けると謎の物体Xが出てくるのは、Yotazoさんの書かれた通りです(笑)

へんぺい足さんのブログはいつも楽しく拝見しております。やはりイトイラズは人の輪を広げてくれるびんですね。
当ブログからもリンクを貼らせて頂きますので、今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by たいみち at 2013-11-03 17:50 x
こんにちは。
古い文房具をあつめておりますたいみちと申します。
骨董市で、インク瓶だと思ってかってきたビンをよくみると
「イトイラズ」の文字が。

検索してこちらのサイトに参りました。
どういうものかわからなかったので
大変参考になりました。
私のはコルクなので時代がもう少し前かもしれませんね。

私のブログに掲載する際は(少し先になりそうですが)
こちらへリンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?

是非よろしくお願い致します。
Commented by いそはえとり at 2013-11-08 19:13 x
たいみちさま
はじめまして! イトイラズのびん、少し前にデッドストックが一挙に出たようで、あちこちに出没していますね。
しかしコルク栓のものがあったとは初耳です。見てみたいです。ぜひ紹介して下さい!
リンクはもちろんOKです。よろしくお願いします。