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昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


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神奈川県の海岸浸食対策計画

先月のこと、倉持さんから恐ろしいニュースをお知らせいただいた。

相模湾岸:美しいなぎさを次世代に 県が「海岸浸食対策計画」 /神奈川

浸食が進み、痩せていく砂浜を取り戻そう…という県の計画なのだが、その工法を知って慄然とした。
簡単に言えば、養浜と称し、よそから(川の上流域などから)土砂を持ってきて、痩せゆく砂浜に『盛って』いこうという計画である。また、『サンドリサイクル』という手法については、潮流や飛砂などの関係で砂が多く堆積しているエリアから砂を取り、浸食が進んでいるエリアに持ってくるという、既存の生態系をまるっきり無視した土木工事である。詳しくは以下に:

相模湾沿岸海岸侵食対策計画(素案)に関する意見の募集について

そもそも砂浜の浸食は、砂防ダムや河川の護岸工事などにより、山からの砂の供給がなくなっているからこそ起きている問題である。砂浜に盛り土をしたところで根本的な解決になるわけがなく、それは単なる一時しのぎでしかない。結局、減り続ける砂浜を維持するためには定期的に土砂を投入し続けなければならず、それにかかる税金は莫大なものになるだろう(定期的に仕事が発生するので、土建屋さんは儲かる…というのが、この計画のミソなのだろうが)。何よりも最大の問題は、この工事により、既存の砂浜の生態系が壊滅的な打撃を被るのは明白だという点である。

砂浜にいかに多くの生物が存在するか、それが実に微妙なバランスの上に成り立っているかは、海ものをやっている人なら誰しもが知っていることだろう。まっとうな砂浜に触れたことがある人ならば、こんな暴挙を思いつくはずがない。
『景観や文化・観光などの面で砂浜の果たす役割も強調』とあるが、確かに遠目には砂浜然としたものが出来上がるだろう。しかし、その実態は単なる巨大な砂場でしかないはずだ。一見もっともらしい言葉で飾り立てているが、これは結局のところ、とんでもなく巨大な、愚かな破壊行為でしかないように思える。
生き物が消えた砂浜に、何の価値があるというのだろう?


客土によって作られている(もしくは、維持されている)海岸は結構あって、私も今までに何箇所か訪れて実際に見ている。それは生き物の気配の薄い、びっくりするくらい貧弱な環境だ。それは『ただ砂浜っぽい風景』というだけであって、喜ぶのは海水浴客だけである。あんな『死んだ』海岸が神奈川の海にこれから続々と出来てしまうのかと思うと恐ろしい。


この計画については2月にパブコメ募集があったのだが、私は迂闊なことにまったく気がつかなかった。こんな恐ろしい計画が動き出しているなら、批判的なコメントを送っておいたものを…。返す返すも悔やまれる。なんとかならないものだろうか…。


かなり遅くなってしまったけど、このとんでもない計画、できるだけ多くの人に知ってもらいたいです! 上記の県URLなどを、興味を持ってくれそうな人に、ぜひ伝えてください!

以上、お知らせでした。
by isohaetori | 2011-05-05 20:12