昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


by isohaetori

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

以前の記事

2017年 02月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 03月
more...

最新のコメント

神薬はもう高値安定ですね..
by isohaetori at 12:51
よとぼしさま 福の神、..
by isohaetori at 12:44
昔の記事にコメント失礼し..
by letoroathume at 22:19
お返事いただきありがとう..
by よとぼし at 00:34
よとぼしさま お返事が..
by isohaetori at 07:20
こんにちは。 はじめま..
by よとぼし at 09:56
yamakajiさま ..
by isohaetori at 23:51
吉田くんに教わって来まし..
by yamakaji at 12:55
丸山さんにはいつもお世話..
by isohaetori at 13:19
なんと偽物が出回っている..
by tbs-hrk at 23:21

最新のトラックバック

twitter

www.flickr.com
isohaetori's items Go to isohaetori's photostream

リンク

カテゴリ

昆虫採集・観察(海)
昆虫採集・観察(陸)
クモ・多足類
その他の生き物
飼育
ビーチコーミング
標本
本・論文
WEB
道具・工作
日常
昆虫以外の趣味
雑話

タグ

(108)
(106)
(64)
(58)
(32)
(19)
(18)
(17)
(15)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(11)
(11)
(9)
(9)
(9)
(9)
(8)
(7)
(6)
(5)
(5)
(3)
(3)
(3)
(2)
(2)

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

自然・生物
カメラ

画像一覧

偉大なる日本オタク、モース先生のこと

f0205097_2053295.jpgE・S・モースの日本滞在記「日本その日その日」が面白い。モースは明治10年に初めて日本を訪れて以後、東大で教鞭をとるなどした偉大な動物学者だが、当時の日本の民俗にも強い興味を持っていた。彼はえらく筆まめだったようで、日本に滞在した間、見聞した物事や人々の暮らしをスケッチと共に詳細に記録し、それを後年「Japan Day By Day」として出版した。それを翻訳したのが本書で、読みやすい仮名遣いになったものが今でも東洋文庫で入手できる(→こちら)。江戸時代から近代へと移り変わりつつあった、その狭間の時代の空気がリアルに伝わってくる、実に興味深い本である。

モースは大の日本びいきだったので当然かもしれないが、彼が見、書きとめた日本の美しさは、現代に生きる我々がとうに失ってしまったものばかりで、思わずため息をつかずにはいられない。別に川や山が昔はキレイだったとかそういうことだけではなく、当時の日本人が持っていた道徳観、礼儀正しさ、心のこまやかさ…みたいなものである。明治時代に小泉八雲が書いた日本人論を読んでも同じような感慨にとらわれる。しかし、当時の心やさしく誇り高い日本人は、この平成の世においてはどこかへ消えてしまったようだ。気骨ある明治人が今の日本人を見たら、きっと嘆くことだろう。


f0205097_20535082.jpgさて、モースは日本で研究活動を進める傍ら、各地を歩き回り、当時の民具や陶器などを猛烈な勢いで収集した。それらは一大コレクションとなり、現在ピーボディー博物館やボストン美術館などに収蔵されている。
彼が持ち帰った品々は、いわゆる美術品、芸術品の類ではない。市井の人々が日常的に使っていた、当時の日本における普通の道具たちである。それゆえ、時代の移り変わりとともに捨て去られ、忘れられる恐れが多分にあるものでもあった(当時、自分たちが使っている日常の道具を保存し、民具研究などに役立てようとする日本人がいただろうか?)。モースはその資料的価値や、西洋の文明が入ってきたことで急速に消えつつある、日本の伝統的なモノどもの重要性に、いち早く気がついていたのであった。
彼の集めた民具は多岐にわたり、体系的に整理され、まるで当時の日本人の生活が丸ごと保存されているかのようである。また、陶器に関しては、購入した場所や日付がきちんと一品ごとに記録されているばかりか、形態や用途に基づいて分類され、立派な目録まで編まれている。いかにも分類学者らしい集め方ではないか。
モースの周辺には色々と興味の尽きない事柄があるので、参考になる本を挙げておきたい。以下の二冊は写真が豊富で、眺めているだけで楽しい本である。
モースの見た日本-モース・コレクション 民具編:小西四郎、田辺悟編(小学館)
百年前の日本-モース・コレクション 写真編:小西四郎、田辺悟編(小学館)


ところで、モースのコレクションの中には当時のガラスびんも数点含まれていて(またびんの話だよ)、封を切っていないびん詰めの砂糖菓子の写真を、いくつかの本で見ることができる。上記の「モースの見た日本」に載っているその写真を見ると、当時のそれは変哲もない丸口の角型びんで、金平糖が詰められている。貝殻型の砂糖菓子などもあったようで、これは特に「貝屋」であったモースの興味を引いたことだろう。
当時の庶民の道具があまり残っていないように、空になれば用済みだったガラスびんも、明治時代のものはあまり現存していない。メジャーな商品であれば新聞広告などに資料を求めることもできるが、小さなメーカーや商店が作らせていたようなものは、ほぼ時代の彼方に忘れ去られたといってよいだろう。モース先生が、陶器だけでなく、明治期のガラスびんも蒐集の対象としてくれていたなら…と、びんマニアとしては思わずにはいられない。
[PR]
by isohaetori | 2011-12-19 21:09 | 本・論文 | Comments(0)