昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


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カテゴリ:本・論文( 27 )

日本産イソハネカクシ属の5新種

お知らせが遅くなってしまいましたが、イソハネカクシの記載論文が出ました。

Ono, H. & Maruyama, M., 2014. Five new species of the intertidal genus Halorhadinus Sawada (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae) from Japan. Esakia, (54): 41-50.
PDFはこちら。


これまで3種が知られていたイソハネカクシ属だが、今回5種を新たに記載し、計8種となった。本属の種はいずれも潮間帯の砂礫中に生息しており、波打ち際を掘ることで採集される。四万十川の河口付近で得られたアシナガイソハネカクシH. miyataorumだけはトラックトラップに入ったもので、本来の生息環境は未確認。おそらく付近の水際を掘ることで見つかるだろう。
驚いたことに大分の海岸では4種が同所的に生息しており、小型の種は砂礫の細かいところに、大型の種はやや粒の粗いところに、といったように、空間の大きさによって棲み分けている可能性が示唆された。

今回記載した5種には、いずれも発見に携わった方々に献名させて頂くことにし、それぞれH. kawashimai, H. miyataorum, H. miyakei, H. masakazui, H. satoiという学名をつけた。和名については、中二感溢れるカッコいい名前にしようかとも一瞬考えたが、結局良いものを思いつかず、その種の特徴を表す言葉を頭に付けたものとした(ツヤケシ、アシナガ、ヒメ、ウスチャ、アメイロ)。しかし、虫の名前を自分で考えるなんて夢のようで、実に楽しかった。


今回の仕事では多くの虫屋さんや研究者の方々にお世話になりました。この場を借りて厚くお礼申しあげます。特に辛抱強く私の原稿を直してくださった丸山さんには感謝の言葉もありません。
次のテーマも海岸性のハネカクシに決まりました。引き続き頑張ります。
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by isohaetori | 2014-04-11 23:32 | 本・論文 | Comments(0)

名前をつける

マルハナバチ図鑑のチラシを見て、著者の高見澤今朝雄さんという名前に思い当たるところがあり、調べてみるとやはりタカミザワ彗星の高見澤さんだった。小さい頃に読んでいた天文の本に、日本人のアマチュア天文家が新彗星発見!と、大きく扱われていたのが記憶に残っている。彗星に名前が付くなんてカッコいいなあと子供心に憧れを抱いたものだ。星にしても虫にしても、新発見をしてそれに名前がつくというのは、子供にとって何か特別な印象を与えるものなのである。

思えば小学生のころの私は、虫や車だけでなく星も大好きな子供だった。必死でお小遣いを貯めて小さな天体望遠鏡まで買ったほどだ。しかしそれは子供でも買える程度のものゆえ非常に扱いづらく、すぐに使わなくなってしまった。今となっては星座の名前などすっかり忘れてしまっている。要するに飽きっぽい子供だったのだろう。


星には飽きてしまったけれど、虫への興味は続いており、これは生涯の趣味となりそうである。そして今は嬉しいことに、自分で虫に名前をつけるという長年の憧れが実現しつつある。丸山さんと共著でやっているイソハネカクシの記載である(先月の甲虫学会大会で発表したネタ)。
これはそもそも丸山さんが大分県産の数種を単著で書くはずの仕事だったのだが、三浦半島で採れた同属の未記載種をもって横入りしてきた私に、せっかくだから大分のもまとめて共著で発表しましょうと言ってくださり、しかも第一著者の座も譲ってくださったのだった。やりますやります!などと私が食いついたからなのだが、後で冷静になってみると、丸山さんがやった方が絶対いいのに、私なんかに書かせて本当に大丈夫なんだろうか…などと心配になってしまった。申し訳なく思うとともに、こういう機会を与えて頂いたことにとても感謝している。


というわけで、ここしばらくはその原稿にかかりきりだった。慣れない絵描きや記載文には四苦八苦した。一度草稿を送ったら真っ赤になって返ってきて、私は逆に青くなった。結局締切ぎりぎりになって何度も丸山さんの手を煩わせてしまい、今回ほど自分のダメっぷりを痛感したことはない(ホントにすみません…)。

ともあれ、その原稿もほぼOKを頂いたので、順調にいけば来春発行のEsakiaに掲載される予定。最終的には神奈川から1種、大分から3種、高知から1種の新種が確認されたのだが、いずれも各地で甲虫を研究されている多くの方々のご協力あってのものである。ありがとうございます! 今回の仕事を通じて、分類の研究って面白いんだなあとしみじみ感じたので、自分の実力不足は顧みず、今後も海ハネの調査は進めていきたいと思う。
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by isohaetori | 2013-12-24 23:55 | 本・論文 | Comments(3)

近況

f0205097_20111379.jpgいまだかつてないほどブログに穴を空けてしまった。大穴である。まさに看板に偽りなし。その間にもチェックして下さっていた方には申し訳ありません…。

今月23、24日の甲虫学会大会には参加できることになった。昨年ハネカクシ談話会の小集会でやったネタが進んだので、今回はそれを一般講演にて発表することにした。原稿書きと並行して、今はその準備をしている。タイトルは以下の通り。
小野広樹・丸山宗利:日本産イソハネカクシ属Halorhadinus(ハネカクシ科)の未記載種について

記載論文は今年中に投稿できればと思っている。これが受理されれば、日本のHalorhadinusは一気に増えることになるので楽しみだ。海ハネの世界は奥が深い。
ここ数カ月、論文を読むのと書くのとでは大違いということが身に沁みてわかった。絵描きにも四苦八苦したし、もう途方に暮れていたと言ってもいい。もっと英語と記載用語を勉強しよう…。
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by isohaetori | 2013-11-08 20:14 | 本・論文 | Comments(2)

昨日買った本

昨日、新宿で飲む前に、神保町を歩いて以下の本を買った。

どくとるマンボウ追想記/ 北杜夫
大西洋漂流76日間/ スティーヴン・キャラハン
クジラは海の資源か神獣か/ 石川創
ソロモンの指環/ コンラート・ローレンツ
ナチュラリストの系譜/ 木村陽二郎
遊びの博物誌2/ 坂根巌夫
忘れられた日本人/ 宮本常一
蝸牛考/ 柳田国男
日本奥地紀行/ イサベラ・バード
ぼくは王さま/ 寺村輝夫
目をさませトラゴロウ/ 小沢正

最後の童話二冊は、つい懐かしさのあまり衝動買いしてしまったもの(幼いころの愛読書だったのだ)。ソロモンの指環は、実家のどこかに埋もれてしまったので、やはり買い直してしまった。この本を読むとカラスを飼いたくてたまらなくなる。

色々買ったはいいが、やらなければならない作業が山積みなので、きちんと読むのはだいぶ先になりそうだ。
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by isohaetori | 2013-01-08 23:30 | 本・論文 | Comments(0)

おすすめ本2冊

最近買った、オススメの本二冊。

f0205097_20342837.jpg醤油鯛:沢田佳久著,アストラ
醤油鯛とは、お弁当の中で時々みかける、あの魚型をした容器のこと。その醤油鯛を外部形態に基づいて記載、分類した本がこれである。生き物屋にはなじみ深い、非常に正統な分類学的手法をもって構成された硬派なつくりで驚かされるが、それもそのはずで、著者は兵庫県博でゾウムシ類の分類を手掛けられているプロの分類学者である。ちなみにウェブサイト版はこちら。http://www.geocities.jp/shoyu_dai/front.htm

ところで、夏にでたガチャガチャで「たれびんストラップ」なるものがある。醤油鯛は普通「鯛」であることが多いが、これはシーラカンスだのナポレオンフィッシュだのシュモクザメだの、妙な魚の醤油鯛をストラップにしたものだ。先日私も見つけたので試してみたところ、欲しかった「シーラカンス醤油鯛」が一発で出たので嬉しかった。
f0205097_20355714.jpg

これは現在私の携帯電話にぶら下がっている。誰が喜ぶんだこんなもの…と思われるかもしれないが、やはりハマるひとは結構いるのである。



f0205097_20344085.jpgもう一冊。一時期、アマゾンで品切れになっていたほど人気の本。
アリの巣をめぐる冒険-未踏の調査地は足下に:丸山宗利著,東海大学出版会
一刻も早く読みたかったのに、私はうっかりアマゾンに注文を入れてしまったため、手元に届くまでに結構かかった。

期待していた通り、読み終わってしまうのが寂しくなるくらい、ぐいぐいと引き込まれるような面白さに満ちていた。好蟻性昆虫の研究を主に扱っているため、虫屋を驚愕させるような珍奇な虫が山ほど出てくるし、新発見の連続である調査の過程には胸が踊り、生き物好きなら興奮のあまり動悸・息切れなどが起こるかもしれない(寝る前に読むのは不眠につながるので避けた方がよいと思う)。
かと言ってマニアックな虫屋向けの本というわけではなく、一般にも分かりやすい言葉と用語を選んで書かれているのでたいへん読みやすかった。今年読んだ自然誌系の本のなかで、間違いなくベスト3に入るお薦め本!

わくわくするような発見の話がとにかく面白い本だが、個人的に好きだったのは、丸山さんご本人の自伝的な部分だった。言うまでもなく丸山さんは分類学の世界で牽引役となっておられる方だが、そこに至るまでの過程は苦難の連続だったことを、この本を読んで改めて知った(研究の面白さは、そうした困難を補って余りあるほどのものだということも)。だからこそ、本書に出てくるエピソードの数々には重みがあり、それに勇気づけられる読者はたくさんいることと思う。特に研究の世界に興味を持っている学生には良い影響があるに違いない。また、一部の人の進路決定に、この本が重要な役割を果たすことがあるかもしれない(私にもそういう「人生を変えた本」がいくつかある)。そういう意味で、特に若者のために書かれた本とも言えるのではなかろうか。
ちなみに私は既に若者とは言えない歳だが、やはりこの本からはやる気をいただいた。俺も頑張ろうと思わせる、そんな魅力に満ちた一冊。
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by isohaetori | 2012-10-23 20:59 | 本・論文 | Comments(2)

頂きものの本

先月のこと、いつもコメントを寄せてくださる尚さんから、以下の本をお送りいただいた。
草木の種子と果実(誠文堂新光社)
f0205097_2011895.jpgすごい図鑑である。果実とタネを632種、カラー写真で掲載。すべて1ミリ方眼の上で撮った写真なので大きさも分かりやすい。実は私は一時期タネに凝ったことがあって(今でも海岸で拾い集めては溜めこんでいる)、この手の写真図鑑には目がないのだ。ビーチコマーとして見逃せないのが、巻末付近にある漂着種子のコーナー。6ページにわたって、日本の海岸に流れ着く漂着種子を図示している。これはわくわくするねー! 尚さんの思い入れが伝わってくる!

このページを見ていて、いままで私がシナアブラギリと思っていたものに「カントンアブラギリ」が混ざっていたことに気がついた…。









f0205097_201383.jpg尚さんにはもう一冊頂いてしまった。
名前がわかる野鳥図鑑・ 99種の鳴き声が聞けるCD付き
私は鳥も好きなのだけど、我が家にはこれまでハンディサイズの図鑑が一冊あるきりだったので、これはたいへんありがたかった。版型はB5くらいとやや大きめで、そのぶん写真も大きくて見やすく、写真集的な楽しみもある。400種掲載ということなので、身近に見られる鳥はほぼカバーできるだろう。鳴き声入りのCDが付いているのも助かる。

ちなみに、この二冊は写真提供の謝礼として頂いてしまったのに、実際に私が出したのは種子図鑑に収録されている一枚だけ…。たいへん申し訳ない気持ちでいっぱいです(汗)。







もう一冊。こちらは、著者の田仲義弘さんにお送りいただいた本。
f0205097_202617.jpg狩蜂生態図鑑-ハンティング行動を写真で解く
最近虫屋の間で話題になり、すでに買ったひとも多いと思う。すごい「瞬間」が目白押しの一冊である。アリマキバチ類の狩りのシーンなんて、なんでこんな場面を抑えられるのかと不思議でならない(アブラムシを捕えて、空中で麻酔をしている場面もある!)。やはり長年にわたって培ったキャリア、眼力の違いだろうか。
著者の田仲さんとはまだ面識がない…と思っていたが、何度かメールをするうち、どうも私が通っている公園で一度お会いしているらしいことが分かった。数年前、私が土場で甲虫を採っているときに立ち話をした男性が、どうも田仲さんだったようなのである。その時は蜂の話はしなかったような気もするが、やはり虫屋の世界は狭いものだと妙に感心したのであった。
この本も、以前小さな情報のやりとりがあって、そのお礼としてお送りいただいたものである。あれだけのことで頂いてしまってよいものだろうかと、やはり申し訳ない思いがする。せめてブログで宣伝することでそのお気持ちに報いたい! ありがとうございました。
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by isohaetori | 2012-10-22 20:12 | 本・論文 | Comments(2)

凄すぎる図鑑

f0205097_21174351.jpg話題の図鑑「日本のトンボ」を、著者の川島さんに一冊頂いてしまった。私は直接協力したわけでもないので、かなり申し訳ない感じ…。ありがとうございます。

現物を見た人は一目でわかると思うが、中身の充実ぶりは恐ろしいほど。ここまでやるか!?と思えるくらい、もの凄い気合いの入れようである。この本を作るのに費やされたであろう途方もない労力。それを思うと気が遠くなりそうだ。この内容で5500円(税抜)は安すぎる…(この本を見た人は異口同音にそう言うらしい)。
とにかくすごい図鑑なので、すべての生き物屋におすすめしたいと思う。


今日の出来事:
1. 久々にハチに刺された。花に水をやっているとき、如雨露の取っ手と一緒にハチも掴んでしまったらしい。私がハチに刺される時はこのパターンが多い。しかし小型のハナバチだったのであまりダメージはなかった。

2. 職場のサクラの木で、テングイラガの幼虫を見つけた。グミっぽくて可愛い。しかし触ると痛い目に遭う、凶悪なグミ。

3. 自転車を買った。折り畳み式で、派手な黄色のやつ。知り合い価格でかなり安くしてくれたのでありがたかった。


明日は三浦半島へ。海ハネの調査だが、この時期はどこに行っても駐車料金を取られるので痛い(しかも高い)。みんな海水浴なんてやらなきゃいいのに…。
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by isohaetori | 2012-07-23 21:31 | 本・論文 | Comments(0)

ライト目薬

お友達に借りた、灰谷健次郎の「兎の眼」を読み終えた。涙がこぼれるほど感動する本を読んだのは久しぶりだ。私は普段からそれほど本を読んでいるわけではないが、年に数回程度、こういう良い本に出会う。これは実に幸福なことである。
お友達には、「焼かれた魚」を代わりに貸した。これも良い本だと思う。

コレクションより。「ライト目藥」のびん。長さ88ミリ。
f0205097_03563.jpg

裏には「太陽堂藥品株式會社」と陽刻されている。
茶色いびんは、青や水色に比べて人気が低く、あまり可愛がられないようだ。ちょっと可哀想な気もする。
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by isohaetori | 2012-03-02 23:55 | 本・論文 | Comments(0)

偉大なる日本オタク、モース先生のこと

f0205097_2053295.jpgE・S・モースの日本滞在記「日本その日その日」が面白い。モースは明治10年に初めて日本を訪れて以後、東大で教鞭をとるなどした偉大な動物学者だが、当時の日本の民俗にも強い興味を持っていた。彼はえらく筆まめだったようで、日本に滞在した間、見聞した物事や人々の暮らしをスケッチと共に詳細に記録し、それを後年「Japan Day By Day」として出版した。それを翻訳したのが本書で、読みやすい仮名遣いになったものが今でも東洋文庫で入手できる(→こちら)。江戸時代から近代へと移り変わりつつあった、その狭間の時代の空気がリアルに伝わってくる、実に興味深い本である。

モースは大の日本びいきだったので当然かもしれないが、彼が見、書きとめた日本の美しさは、現代に生きる我々がとうに失ってしまったものばかりで、思わずため息をつかずにはいられない。別に川や山が昔はキレイだったとかそういうことだけではなく、当時の日本人が持っていた道徳観、礼儀正しさ、心のこまやかさ…みたいなものである。明治時代に小泉八雲が書いた日本人論を読んでも同じような感慨にとらわれる。しかし、当時の心やさしく誇り高い日本人は、この平成の世においてはどこかへ消えてしまったようだ。気骨ある明治人が今の日本人を見たら、きっと嘆くことだろう。


f0205097_20535082.jpgさて、モースは日本で研究活動を進める傍ら、各地を歩き回り、当時の民具や陶器などを猛烈な勢いで収集した。それらは一大コレクションとなり、現在ピーボディー博物館やボストン美術館などに収蔵されている。
彼が持ち帰った品々は、いわゆる美術品、芸術品の類ではない。市井の人々が日常的に使っていた、当時の日本における普通の道具たちである。それゆえ、時代の移り変わりとともに捨て去られ、忘れられる恐れが多分にあるものでもあった(当時、自分たちが使っている日常の道具を保存し、民具研究などに役立てようとする日本人がいただろうか?)。モースはその資料的価値や、西洋の文明が入ってきたことで急速に消えつつある、日本の伝統的なモノどもの重要性に、いち早く気がついていたのであった。
彼の集めた民具は多岐にわたり、体系的に整理され、まるで当時の日本人の生活が丸ごと保存されているかのようである。また、陶器に関しては、購入した場所や日付がきちんと一品ごとに記録されているばかりか、形態や用途に基づいて分類され、立派な目録まで編まれている。いかにも分類学者らしい集め方ではないか。
モースの周辺には色々と興味の尽きない事柄があるので、参考になる本を挙げておきたい。以下の二冊は写真が豊富で、眺めているだけで楽しい本である。
モースの見た日本-モース・コレクション 民具編:小西四郎、田辺悟編(小学館)
百年前の日本-モース・コレクション 写真編:小西四郎、田辺悟編(小学館)


ところで、モースのコレクションの中には当時のガラスびんも数点含まれていて(またびんの話だよ)、封を切っていないびん詰めの砂糖菓子の写真を、いくつかの本で見ることができる。上記の「モースの見た日本」に載っているその写真を見ると、当時のそれは変哲もない丸口の角型びんで、金平糖が詰められている。貝殻型の砂糖菓子などもあったようで、これは特に「貝屋」であったモースの興味を引いたことだろう。
当時の庶民の道具があまり残っていないように、空になれば用済みだったガラスびんも、明治時代のものはあまり現存していない。メジャーな商品であれば新聞広告などに資料を求めることもできるが、小さなメーカーや商店が作らせていたようなものは、ほぼ時代の彼方に忘れ去られたといってよいだろう。モース先生が、陶器だけでなく、明治期のガラスびんも蒐集の対象としてくれていたなら…と、びんマニアとしては思わずにはいられない。
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by isohaetori | 2011-12-19 21:09 | 本・論文 | Comments(0)

帰省

久々に実家に帰り、家族と一緒に食事や墓参りなどに行った。

大好きな飼い猫には歓迎されなかった。あまつさえ撫でようとした手に猫パンチを見舞われた。完全に嫌われたようで、これはある意味で好きな女の子にフラれるよりショックである。かつて私に拾われた恩など、これっぽっちも覚えていないらしい。

実家は少し帰らぬ間にだいぶ変わっていた。
かつて私が使っていた部屋は綺麗に改装され、今は物置として使われていた。せっかくなので引っ越しの時に残してきた本を回収すべく、押し入れを漁った。

本日持ち帰ってきた本:
恐るべき空白/ アラン・ムーアヘッド
さまよえる湖/ スウェン・ヘディン
妻を帽子と間違えた男/ オリヴァー・サックス
ツェッペリン飛行船/ 柘植久慶
復活の日/ 小松左京
明治・父・アメリカ/ 星新一
進化した猿たち1~3/ 星新一
巨人ポール・バニヤン -アメリカの奇妙な話1-/ ベン・C・クロウ
地学のガイド・茨城県/ 大山年次監修・蜂須紀夫編
昆虫を見つめて五十年 I・II/ 岩田久二雄
キムラグモ -環節をもつ原始のクモ/ 菊屋奈良義
のんのんばあとオレ/ 水木しげる
その他、ヘミングウェイ、夏目漱石の著作数冊ずつ。長年探していた本も発掘できて嬉しかった。これからの読書生活が楽しくなりそうである。

どういうわけか、顕微鏡用?のハロゲン照明装置(フレキシブルチューブ式で、ダブルアームとトリプルアームの両方があった)も押し入れから出てきた。まだ使えそうなので奪ってきたが、なぜ父はこんなものを持っていたのだろうか。普通、一般家庭にあるようなシロモノではない。謎だ…。
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by isohaetori | 2011-09-10 23:48 | 本・論文 | Comments(0)