昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


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江ノ島にてモース博士に思いを馳せる

 先日、江ノ島を歩く機会があった。これまで遠目に見ることはあっても、島の中にまで足を踏み入れたことはなかったので、色々と目新しく楽しい経験をした。

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 観光地としての知名度は言うまでもないが、江ノ島は生き物屋にとっても話題に事欠かない場所である。明治以降、日本における近代的な動物学が最初に盛り上がったのも、この地を中心とした相模湾周辺であった。いわゆるお雇い外国人が豊かな生物相に注目したからである。ヒルゲンドルフ博士が江ノ島の土産物屋でオキナエビスを「発見」した話は有名だし、このブログでも何度か言及したことのあるモース博士が、日本で最初の臨海実験所をつくったのも江ノ島だった。

 特にモース博士の当地に対する入れ込みようはかなりのもので、来日してからほどなく、博士はここで海岸に面した小屋を借り、ひと夏の間、そこを拠点として精力的に採集を行った。この小屋の手配にあたっては植物学者の谷田部良吉が便宜をはかった。モース博士が来日した目的は腕足類をはじめとした海洋生物の研究であったので、それらがたくさん採れる上に、当時から開けていて生活もしやすかった江ノ島は、まさに研究の拠点とするにふさわしい場所であったに違いない。博士の当時の日記をまとめた本、「日本その日その日」には、江ノ島での生活や調査の様子に多くのページを割いており、この日記の重要な読みどころのひとつとなっている。

 借りた小屋を実験所に改装するのは短期間で終わったが、当時そうしたものに縁のなかった日本人の職人たち(しかも常にのんびりしている)に一から説明して造らせるのは大変だったらしい。博士はまず、必要なテーブル、椅子、窓のつくりや位置、錠前の必要性などを根気よく説明しなければならなかった。また、研究に必要なアルコールやガラス瓶の確保も容易でなく、当時の日記には一刻も早く調査を始めたい博士の苛立ちが見てとれる。
 出来たら出来たで災難はやってくるもので、実験所が完成した翌日には台風に見舞われ、せっかく持ち込んだ物資を暴風雨のなか運び出す羽目にもなった。そんな苦労の末、念願の研究を開始した時の喜びはひとしおであったろう。博士の当時の日記には、以下のようなくだりがある。明治10年7月30日、江ノ島に移ってから初めてドレッジを行った時である。


 我等の入江に帰った時、私はそもそも私をして日本を訪問させた目的物、即ち腕足類を捕らえようという希望で一度曳網を入れて見た。私は引潮の時、この虫をさがしに、ここを掘じくりかえして見ようと思っていたのである。所が、第一回の網に小さなサミセンガイが三十も入っていたのだから、私の驚きと喜びは察して貰えるだろう。


 その後もシャミセンガイのみならず、助手を使いつつ、海岸で様々な生物を採集した。同年8月10日の日記。


 昨日我々は、干潮で露出した磯へ出かけた。(中略)収穫が非常に多く、また岩の裂け目に奥深くかくれた大きなイソガイ、生きてピンピンしている奇麗な小さいタカラガイ、数個のアシヤガイ(その貝殻は実に美しい)、沢山の鮑、軟かい肉を初めて見る、多くの「属」、及びこれ等すべての宝物以外に、変な蟹や、ヒトデや、海百合の類や、変った虫や、裸身の軟体動物や、大型のヒザラガイ、その他の「種」の動物を、何百となく発見する愉快さは、非常なものであった。


 学者というものは研究室にこもって黙々と作業をしているイメージが一般的かもしれないが、それは根っからの生物学者には当てはまらないことが多い。野外に出て好きな生き物に出会った時ほど、生物学者を喜ばせるものはない。何にでも興味をもって採集と記録に努めたモース博士の日記には、その楽しさがよく表れている。

 博士の江ノ島滞在は約1ヶ月と短かったが、明治初頭という時代にあって、臨海実験所の先駆けをつくったという点でも意義深いものがあった。その建物は、現在の江ノ島大橋を渡り切って左手へ少し行ったあたりに存在したようだ。その後の埋め立てで地形は変わってしまっているが、藤沢市の設置した記念プレートがあり、実験所のあったおおよその位置を知ることができる(もっとも、実際に実験所があった位置とは多少のずれがあるらしい)。

 モース博士が江ノ島で研究を行ってから100年以上の月日が流れたが、多くの参拝客や観光客で賑わう島の風景は変わらない。しかし海は変わった。博士が嬉々として採集したシャミセンガイはもういないし、当時はいくらでもいた多種多様な貝類も、かなりその数を減らしたことだろう。モース博士が今の湘南の海を見たら大いに嘆くことだろうが、博士に教えを受けた当時の日本人たちにより、我が国の動物学は急速に発展することになった。それまで本草学の域を出なかったものが、近代的な学問へと大きく変貌していったのである。その点については、草葉の陰の博士も嬉しく思っているのではないだろうか。

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 橋を渡ってすぐのところにある記念碑。すぐ横のプレートには、「エドワード・S・モース記念碑 日本近代動物学発祥の地」とある。調べ物をするモース博士と、日本の子供たちのレリーフである。
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by isohaetori | 2014-06-29 23:36 | 雑話

シュレーゲルアオガエル

先日、川島画伯と野外に出たときに出会ったカエル、シュレーゲルアオガエル。体長は4センチ以上ある立派なやつだった。

写真を撮ろうと近づいたら、迷惑そうにじわじわと茎の裏側へ回り込んだ。頑張って細くなっている。小さくなった瞳孔が眠たげで可愛い。

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裏に回ったら一応気が済んだのか、眠そうな顔のまま再び動かなくなった。が、それで隠れたつもりか(笑)。

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ニホンアマガエルはどこにでもいるけれど、シュレーゲルアオガエルは時々見かける程度で、それほど馴染みがなかった。そもそも個体数がアマガエルほど多くない上に、声はすれども姿は見えず、の典型みたいなやつだからだ。田に水が入った夜などにはコロコロという可愛らしい鳴き声が聞かれるのだが、その姿を拝める機会はあまりない。鳴くときはたいてい土の中に潜っているからだろう。だからたまに出会うと嬉しくて、迷惑そうな顔をされてもつい写真を撮ったり捕まえたりしてしまう。ごめんよ。
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by isohaetori | 2014-06-19 21:15 | その他の生き物

ハナダカバチ2014

昨日は川島画伯と砂蜂観察に出た。場所は毎年チェックしているニッポンハナダカバチの営巣地で、今季初めての訪問である。
時期を逸してはいないかと心配だったが、むしろ今までに見たことがないほど多数の雄蜂が乱舞していた。雌蜂は巣穴を掘り始めたくらいのタイミングで、巣作りや狩りの活動がピークになるのは、むしろこれからのようだ。

他の多くの狩蜂でもそうであるように、ハナダカバチでも雄蜂が先んじて現れ、雌を求めて地表を高速で飛び回る。甲高い特有の羽音があたりに満ち、砂浜の一角が急に賑やかになる。穏やかに晴れた日、浜に腰をおろし、いきいきと飛び交う美しい蜂を眺めるのは楽しい。

しかし、蜂の方にはそうのんびりしている余裕はなく、雄は相手探しに躍起になっている。雌蜂を見ると反射的に追いかけ、交尾を迫る。
巣穴を掘っている雌に、二匹の雄が飛びかかってきた。

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上の一匹は一瞬で離脱。
雌が腹を曲げて拒否の姿勢をとっているのがわかる。

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もう一匹も飛び去った。この間、およそ二秒足らず。ハナダカバチは基本的に諦めが早いのだ。

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落ち着いて穴掘りを再開する雌蜂。

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この作業が終わると、幼虫の餌となるハエ類を狩ってくるはずだ。この営巣地ではミズアブやキンバエを餌とすることが多く、アメリカミズアブを狩ることもあるようだが、どんな外見や大きさであれ、獲物は双翅目に属する虫に限られる。似たような姿の蜂もいるのに、ハエという分類群をちゃんと見分けているのが不思議だ。

もっと納得のゆく写真が撮りたいので、都合がつけば来週も再訪する予定。
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by isohaetori | 2014-06-18 19:42 | 昆虫採集・観察(海)