昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


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オオウスバカゲロウ(4)

オオウスバカゲロウの幼虫は、過去に何度か飼育を試みたものの、その度に失敗してなかなか成虫まで育て上げることができなかった。たいてい冬越しがうまくいかないのだった。
この幼虫写真は昨年の7月に撮ったものだが(おかげで白バック撮影が下手)、残念ながらこの個体も冬を越せなかった。頑健そのものといった印象のアリジゴクすら育てられないなんて…と、己の飼育下手っぷりにはほとほと呆れるばかりである。

20130708


しかし、今年はなんとか一匹羽化させることができた。とはいえ長期の飼育ではなく、7月中旬に採集した終齢幼虫がしばらくして繭を紡ぎ、つい先日羽化した、というだけのことである。だからちゃんと育てたというにはほど遠い。それでも、飼育ケースの中に巨大なウスバカゲロウが突如として出現した時には嬉しかった。

oousuba


脈翅類はこの眼も素敵である。闇夜でも獲物を精確に捉える高感度な器官。

oousuba2


猫も杓子も白バックという時代になり、撮影する側としてはやや飽き始めているのだけれど、虫の全体像を鮮明に伝えるのに適した方法であるには違いない。こだわればなかなか難しい手法であるし、極めるまでにはまだ時間がかかりそうなので、今後も修行を続けていきたい。


過去記事:
茶碗むし(オオウスバカゲロウ)
オオウスバカゲロウ(2)
オオウスバカゲロウ(3)
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# by isohaetori | 2014-08-28 19:40 | 飼育 | Comments(4)

オオウスバカゲロウ(3)

先日、珍しく夕方のうちに仕事が終わったので、疲れをおして目星をつけていた海岸に向かった。憧れ続けていたあの虫を見るためである。
ヘッドランプをつけて砂浜を歩き回ること数十分、灯りを反射してキラリと光る眼を手がかりに、ついにその姿を見ることができた。

IMG_5070

オオウスバカゲロウ Heoclisis japonica、2014年8月20日、千葉県

柔らかな銀毛に覆われた体は、想像以上に大きかった。長年の思い入れも手伝って、なにか神々しい気配さえ感じられた。

IMG_5168

この夜は羽化ラッシュだったようで、下草のあちこちに新成虫がぶら下がっていた。できれば翅を伸ばす過程を見たかったのだが、現場に着いた時間が遅かったためか、見つかる虫はどれも翅を伸ばし切っており、体が固まるのを待っている状態だった。それでも、繊細なレースのような翅は、写真を撮るのを忘れて見とれるほど美しかった。


東北地方出身の友人が、故郷ではウスバカゲロウのことを「神様トンボ」と呼んでいたと教えてくれた。夜になるとどこからともなく現れ、ふわふわと儚げに飛び回るこの類に相応しい名前だと思う。


過去記事:
茶碗むし(オオウスバカゲロウ)
オオウスバカゲロウ(2)
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# by isohaetori | 2014-08-26 23:55 | 昆虫採集・観察(海) | Comments(0)

カワラハンミョウ

西日を浴びるカワラハンミョウのペア。(2014年7月15日)

IMG_4630



今日は買い物に行き、ユザワヤでロットリングを買い足した。ついでに日光の丸ペンも買ってみた。少し試してみたところ、毛を描くにはロットリングよりもこちらの方が良さそうに思う。しかし筆圧により線の太さが変わるので、早く慣れるよう練習しなければならない。

眼鏡も壊れてしまったので新調した。ナンバーガールの向井秀徳がかけていたような銀色丸縁のやつを選んだら、10歳くらい老けて見えるようになって愕然とした。あれは向井がかけるからカッコいいのであって、普通の人間がかけるとただの地味なおっさんになるだけだと気がついた。

少し悲しくなったので、それよりは派手な赤いフレームのやつも一本買った。目指せヤング。


………。
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# by isohaetori | 2014-07-25 19:06 | 昆虫採集・観察(海) | Comments(2)

蟻の巣のコカブト

ちょっと前に入手したコカブトの仲間。Cryptodus属の一種だと思う。体長18ミリメートル。

Cryptodus sp

当初はこの虫について何も知らなかったのだが、とある標本商でひと目見て、なんて怪しい虫だろうという印象を抱いた。いかにもアリかシロアリの巣から出てきましたという雰囲気だったからである。なんだか分からないけれど、この珍品っぽさがどうにも気になる。こういう変な虫は迷わず買え、という虫屋の勘に従って購入した。

後で調べてみたところ、アリノスコカブトというそのまんまの和名まであるグループであることを知った。これが実際にどの程度珍しいのかは知らない。しかし山ほど採れるようなものとはとても思えないし、何よりカッコいいので、私の標本箱のなかでは大事にされている。
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# by isohaetori | 2014-07-19 18:13 | 標本 | Comments(0)

江ノ島のエノシマエンシス健在 (コイソカニムシ)

先日江ノ島を歩いたとき、ちょっと気にして探していた生き物がコイソカニムシNipponogarypus enoshimaensisである。本種は江ノ島を基産地として、森川(1955)により新属新種として記載された。これは原記載の図。
f0205097_16494237.jpg


現物はこんな虫である。驚かすとピコピコと後ずさるような動きをみせる。体長は2ミリメートルほど。

koiso

江ノ島といえばこの虫…というイメージがあったので、安否を確認するつもりで探してみたのだった。結果、乾燥した岩場の隅で一頭確認(というか、一頭見つけたところで満足したので探索はやめてしまった)。コイソカニムシが好むのはこんな場所である。

R0018791

潮のかからない、かなり乾燥した岩場を好むようである。こんな環境で何を食っているのだろうと思うが、トビムシやダニなど、何がしかの餌は見つかるのだろう。地味極まりない虫ではあるが、江ノ島の名を背負うこの生き物が、いつまでも繁栄してくれれば良いと思う。



そういえば、三浦半島の調査の際にも本種に出会ったことがあった。参照→http://isohaetori.exblog.jp/18325007/
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# by isohaetori | 2014-07-10 16:56 | クモ・多足類 | Comments(0)

江ノ島にてモース博士に思いを馳せる

 先日、江ノ島を歩く機会があった。これまで遠目に見ることはあっても、島の中にまで足を踏み入れたことはなかったので、色々と目新しく楽しい経験をした。

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 観光地としての知名度は言うまでもないが、江ノ島は生き物屋にとっても話題に事欠かない場所である。明治以降、日本における近代的な動物学が最初に盛り上がったのも、この地を中心とした相模湾周辺であった。いわゆるお雇い外国人が豊かな生物相に注目したからである。ヒルゲンドルフ博士が江ノ島の土産物屋でオキナエビスを「発見」した話は有名だし、このブログでも何度か言及したことのあるモース博士が、日本で最初の臨海実験所をつくったのも江ノ島だった。

 特にモース博士の当地に対する入れ込みようはかなりのもので、来日してからほどなく、博士はここで海岸に面した小屋を借り、ひと夏の間、そこを拠点として精力的に採集を行った。この小屋の手配にあたっては植物学者の谷田部良吉が便宜をはかった。モース博士が来日した目的は腕足類をはじめとした海洋生物の研究であったので、それらがたくさん採れる上に、当時から開けていて生活もしやすかった江ノ島は、まさに研究の拠点とするにふさわしい場所であったに違いない。博士の当時の日記をまとめた本、「日本その日その日」には、江ノ島での生活や調査の様子に多くのページを割いており、この日記の重要な読みどころのひとつとなっている。

 借りた小屋を実験所に改装するのは短期間で終わったが、当時そうしたものに縁のなかった日本人の職人たち(しかも常にのんびりしている)に一から説明して造らせるのは大変だったらしい。博士はまず、必要なテーブル、椅子、窓のつくりや位置、錠前の必要性などを根気よく説明しなければならなかった。また、研究に必要なアルコールやガラス瓶の確保も容易でなく、当時の日記には一刻も早く調査を始めたい博士の苛立ちが見てとれる。
 出来たら出来たで災難はやってくるもので、実験所が完成した翌日には台風に見舞われ、せっかく持ち込んだ物資を暴風雨のなか運び出す羽目にもなった。そんな苦労の末、念願の研究を開始した時の喜びはひとしおであったろう。博士の当時の日記には、以下のようなくだりがある。明治10年7月30日、江ノ島に移ってから初めてドレッジを行った時である。


 我等の入江に帰った時、私はそもそも私をして日本を訪問させた目的物、即ち腕足類を捕らえようという希望で一度曳網を入れて見た。私は引潮の時、この虫をさがしに、ここを掘じくりかえして見ようと思っていたのである。所が、第一回の網に小さなサミセンガイが三十も入っていたのだから、私の驚きと喜びは察して貰えるだろう。


 その後もシャミセンガイのみならず、助手を使いつつ、海岸で様々な生物を採集した。同年8月10日の日記。


 昨日我々は、干潮で露出した磯へ出かけた。(中略)収穫が非常に多く、また岩の裂け目に奥深くかくれた大きなイソガイ、生きてピンピンしている奇麗な小さいタカラガイ、数個のアシヤガイ(その貝殻は実に美しい)、沢山の鮑、軟かい肉を初めて見る、多くの「属」、及びこれ等すべての宝物以外に、変な蟹や、ヒトデや、海百合の類や、変った虫や、裸身の軟体動物や、大型のヒザラガイ、その他の「種」の動物を、何百となく発見する愉快さは、非常なものであった。


 学者というものは研究室にこもって黙々と作業をしているイメージが一般的かもしれないが、それは根っからの生物学者には当てはまらないことが多い。野外に出て好きな生き物に出会った時ほど、生物学者を喜ばせるものはない。何にでも興味をもって採集と記録に努めたモース博士の日記には、その楽しさがよく表れている。

 博士の江ノ島滞在は約1ヶ月と短かったが、明治初頭という時代にあって、臨海実験所の先駆けをつくったという点でも意義深いものがあった。その建物は、現在の江ノ島大橋を渡り切って左手へ少し行ったあたりに存在したようだ。その後の埋め立てで地形は変わってしまっているが、藤沢市の設置した記念プレートがあり、実験所のあったおおよその位置を知ることができる(もっとも、実際に実験所があった位置とは多少のずれがあるらしい)。

 モース博士が江ノ島で研究を行ってから100年以上の月日が流れたが、多くの参拝客や観光客で賑わう島の風景は変わらない。しかし海は変わった。博士が嬉々として採集したシャミセンガイはもういないし、当時はいくらでもいた多種多様な貝類も、かなりその数を減らしたことだろう。モース博士が今の湘南の海を見たら大いに嘆くことだろうが、博士に教えを受けた当時の日本人たちにより、我が国の動物学は急速に発展することになった。それまで本草学の域を出なかったものが、近代的な学問へと大きく変貌していったのである。その点については、草葉の陰の博士も嬉しく思っているのではないだろうか。

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 橋を渡ってすぐのところにある記念碑。すぐ横のプレートには、「エドワード・S・モース記念碑 日本近代動物学発祥の地」とある。調べ物をするモース博士と、日本の子供たちのレリーフである。
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# by isohaetori | 2014-06-29 23:36 | 雑話 | Comments(0)

シュレーゲルアオガエル

先日、川島画伯と野外に出たときに出会ったカエル、シュレーゲルアオガエル。体長は4センチ以上ある立派なやつだった。

写真を撮ろうと近づいたら、迷惑そうにじわじわと茎の裏側へ回り込んだ。頑張って細くなっている。小さくなった瞳孔が眠たげで可愛い。

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裏に回ったら一応気が済んだのか、眠そうな顔のまま再び動かなくなった。が、それで隠れたつもりか(笑)。

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ニホンアマガエルはどこにでもいるけれど、シュレーゲルアオガエルは時々見かける程度で、それほど馴染みがなかった。そもそも個体数がアマガエルほど多くない上に、声はすれども姿は見えず、の典型みたいなやつだからだ。田に水が入った夜などにはコロコロという可愛らしい鳴き声が聞かれるのだが、その姿を拝める機会はあまりない。鳴くときはたいてい土の中に潜っているからだろう。だからたまに出会うと嬉しくて、迷惑そうな顔をされてもつい写真を撮ったり捕まえたりしてしまう。ごめんよ。
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# by isohaetori | 2014-06-19 21:15 | その他の生き物 | Comments(0)

ハナダカバチ2014

昨日は川島画伯と砂蜂観察に出た。場所は毎年チェックしているニッポンハナダカバチの営巣地で、今季初めての訪問である。
時期を逸してはいないかと心配だったが、むしろ今までに見たことがないほど多数の雄蜂が乱舞していた。雌蜂は巣穴を掘り始めたくらいのタイミングで、巣作りや狩りの活動がピークになるのは、むしろこれからのようだ。

他の多くの狩蜂でもそうであるように、ハナダカバチでも雄蜂が先んじて現れ、雌を求めて地表を高速で飛び回る。甲高い特有の羽音があたりに満ち、砂浜の一角が急に賑やかになる。穏やかに晴れた日、浜に腰をおろし、いきいきと飛び交う美しい蜂を眺めるのは楽しい。

しかし、蜂の方にはそうのんびりしている余裕はなく、雄は相手探しに躍起になっている。雌蜂を見ると反射的に追いかけ、交尾を迫る。
巣穴を掘っている雌に、二匹の雄が飛びかかってきた。

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上の一匹は一瞬で離脱。
雌が腹を曲げて拒否の姿勢をとっているのがわかる。

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もう一匹も飛び去った。この間、およそ二秒足らず。ハナダカバチは基本的に諦めが早いのだ。

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落ち着いて穴掘りを再開する雌蜂。

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この作業が終わると、幼虫の餌となるハエ類を狩ってくるはずだ。この営巣地ではミズアブやキンバエを餌とすることが多く、アメリカミズアブを狩ることもあるようだが、どんな外見や大きさであれ、獲物は双翅目に属する虫に限られる。似たような姿の蜂もいるのに、ハエという分類群をちゃんと見分けているのが不思議だ。

もっと納得のゆく写真が撮りたいので、都合がつけば来週も再訪する予定。
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# by isohaetori | 2014-06-18 19:42 | 昆虫採集・観察(海) | Comments(0)

近況

f0205097_2140415.jpg毎年のことながらこの時期の仕事はきつく、元同僚と久々に会ったら開口一番に「やつれた」と言われた。特に今年は人員の削減を受けて絶望的なまでに人手が足りず、さすがに心が折れそうになった。今はその状況も少し落ち着いて、人間らしい生活が再開できそう。まずはがっくりと落ちてしまった体重を元に戻すべく、なるべくカロリーの高そうなものを必死で食べているところ。反動で逆に太ったりして。


丸山さんから桐箱7箱が届き、ここ最近は米粒より小さい虫の山と格闘している。まとまった時間を作れないせいでなかなか進まないのだが、やっとおおまかな仕分けが終わり、なんとなく全容が見えてきた。某国では精力的にこの分類群に取り組んでいる人たちがおり、先を越されないためにも急がなければならない。

今扱っている分類群で、千葉県産のものは概ね出そろってきた感があるので、最近は最後の仕上げとばかりに夜間調査も何度か行った。夜の海岸は日中と異なり、普段姿を見せない虫も活発に動き回っているので面白い。とある未記載種も夜に特定の場所を探せばごっそり採れるということがわかった。こいつは日中に見かけたためしがないが、夜には物凄い個体数が文字通り湧いて出たように歩いている。普段はどこにいるのだろう?

一昨日は初めて中瀬式ライトトラップも試みた。これもものすごい数の虫が入って驚いた。もっと早くからやっていればよかったかも。もっとも、夜中の真っ暗な海岸はあもよの出そうな薄気味悪さを感じて気が進まないのも確かである。今取り組んでいる虫という目的がなければ絶対にやらないだろう。
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# by isohaetori | 2014-05-29 21:45 | 昆虫採集・観察(海) | Comments(2)

ビロードツリアブ

数日前に、隣町の公園で出会った毛玉(ビロードツリアブ)。背景がうるさい写真になってしまったけど。

ふわふわと林床を漂う毛玉。
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花にとまる毛玉。
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もふもふしてて可愛い。
スプリング・エフェメラルと呼んでも差し支えないと思う。
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# by isohaetori | 2014-04-15 21:48 | 昆虫採集・観察(陸) | Comments(2)