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昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


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ナミビア旅行記(8) 旅の終わり

ナミビア旅行記(7)からの続き。最終回です。
同時進行している丸山さんの旅行記はこちら

2月12日(火)
ツメブを離れ、首都周辺へと戻る日である。今日は一気に500kmほど走る必要があるが、長距離の運転にもすっかり慣れた。景色を楽しむ余裕もできた。

サバンナを走っていると、巨大なシロアリ塚がそこかしこに立っている。特に大きめの塚の前で記念撮影をした。
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ウィントフックに着き、最後の荷造りに必要な物資やビールを買い、次のロッジへ向かう。途中の国道ではところどころで検問があり、別に悪いことはしていないのだが、止められるとどうにも落ち着かない。

着いてみると、とても雰囲気の良いロッジだった。高い天井と、センスの良い調度品。ここではちゃんとした夕食がつき、メインとしてオリックスの肉を焼いて出してくれた。こんなに美味しく栄養のある食事は久々で嬉しい。肉最高。
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虫は終わりにするつもりだったが、外に灯りがあるとつい見に行ってしまう。これは虫屋の性としか言いようがない。ここでは大きなヒゲブトオサムシが飛んできた。捕まえると、プッという破裂音と共にガスを噴射し、手に謎の黄色い粉がつく。そして消毒液のような臭いが染みつき、なかなか取れない。



2月13日(水)
リゾート気分で朝食。名産品のハムやサラミが美味しかった。肉最高。(二回目)
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この手の肉製品は美味しくてお土産にしたいところだが、防疫上の理由で日本には持ち帰れないのが残念である。


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記念撮影をして、手を振って出発…したところ、血相を変えた主人が大声をあげながら車を追いかけてきた。何事かと思ったが、車のトランクを開けっぱなしにして走りだしてしまったのだった。漫画みたいに荷物をポロポロこぼしながら出て行くところだった。てへ。(舌を出す)


今日のロッジにチェックインするまで、街なかでお土産を買うことにした。たくさんの民芸品が並ぶ青空市みたいなところで、木彫りやブリキの鳥を購入。こちらではホロホロチョウが愛されており、さまざまな製品になっている。
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物売りの呼び込みが激しい。

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小さな木彫りのホロホロチョウ。見つけた瞬間、「うわー、可愛い!」と叫んでしまった。お店に置きたいと思って30羽くらい買ったら、お店のお姉さんに「そんなにたくさん!?」と笑われた。


次の宿、リバークロッシングロッジに投宿。想像をはるかに超えた良い宿だった。何より部屋からの眺めが素晴らしく、到着するなり皆で歓声をあげた。眺望の良い宿で旅を締めくくるなんて最高である。沢木耕太郎の『深夜特急』を思い出した。
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力みまくっていた虫探しの日々を終え、テラス席で久しぶりにのんびりと過ごした。肩の力が抜けてゆくのが分かる。部屋ではナミビアの鳥類図鑑を眺めたり、旅のあいだ毎日つけてきた日記を整理したりした。この旅行記の下書きである。

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宿は夕食も素敵だった。出てくるものがことごとく美味しい。粗食に慣れ過ぎていたので、果たしてこんな贅沢をしてバチが当たらないだろうか…などという謎の不安感が去来する。殿様のお屋敷に呼ばれた貧しい町民の心持ちである。しかし、すぐに忘れてもりもり食べた。



2月14日(木)
テラスにアカシアの棘にそっくりなガがいて驚く。前翅が伸びているのだろうか。これはすごい造形だ。
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チェックアウトしてウィントフック市内へ向かう。お土産を買い足し、隙間時間にはカフェでレモネードなど飲みながらのんびりと過ごした。白川さんは絵はがきを買い、「もう帰り際だけど」と言いつつ、お友達に手紙を書いていた。なるほど、確かに外国から葉書が届いたら素敵だろうと思う。


この旅の最後のホテルで荷物を降ろし、レンタカー屋に行って車を返却。
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ドロドロに汚れてしまったが、故障もパンクもすることなく走り切った。ハイラックス君ありがとう。

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走行距離を計算すると、なんと3週間で4550kmも走っていた! 日本列島が南北に約3000kmなので、その1.5倍である。よく走ったものだ。出発前から車のトラブルは覚悟していて、パンクや砂にはまった時の対処法をYouTubeで予習してきたのだが、完全に無用に終わった。実践の機会がなくてよかった。


明るいうちにシーフードの店に入り、最後の夕食。明日の早朝、日本に向けて出発する。
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最後もビール。お疲れ様でした。


長かった三週間が、ついに終わった。長年の夢だったナミビアは、想像以上にさまざまな表情を見せてくれる国だった。魅力的な生きものや雄大な景観に、毎日感動を味わった。
そして、図鑑や標本ですら見たことのなかったたくさんの虫たち。虫探しというものは空振りに終わることもしょっちゅうなので、今回は文句なしの大成功だったと言えるだろう。ナミビアはおおむね治安もよく、町に行けばたいていのものは手に入り、不安なく生活できるのもありがたかった。

そして何より、リーダー丸山さんの適切な計画と安全管理がなかったら、この旅の成功はなかっただろう。こんな海外初心者の私を誘ってくださったのは本当に嬉しく、感謝するばかりだ。筒井さんも白川さんもたいへん愉快で頼もしく、一緒に過ごす毎日はとても楽しかった。あまりにも素晴らしい日々だったので、帰国後しばらくの間は毎晩ナミビアの夢を見るほどだった。


テレビのナミブ砂漠の映像に見入っていた、幼いころの自分をふと思い出す。数十年後に君はそこに行くことになるんだよ…と言ったら、どんな表情をするだろうか。信じられないほどの空の青さや、砂漠をちょこちょこと走り回る甲虫についても、あの頃の自分に話をしてあげたい。きっと喜ぶことだろう。



エンドロールとして、改めて今回のメンバーを。

丸山さん。
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筒井さん。
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白川さん。
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私。
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(道端の野生化したスイカを味見しているところ。衝撃の不味さだった)


改めて、今回の旅でお世話になった丸山さん、筒井さん、白川さん、さまざまな形で助けて下さったすべての皆様に、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。


参考文献
パトリス・ブシャー著, 丸山宗利監訳, 2016. 世界甲虫大図鑑. 東京書籍
Gussmann, C. & E. Holm, 2004. The African Jewel Beetles. Taita Publishers
Koch, C., 1955. Monograph of the Tenebrionidae of Southern Africa. Vol.1(Tentyriinae, Molurini, Trachynotina, Somaticus Hope). Transvaal Museum Memoir No.7
Mares, J., 2002. A Monograph of the genus Manticora. Taita Publishers
水野一晴・永原陽子編著, 2016. ナミビアを知るための53章.明石書店
Sinclair, I. & J. Komen, 2017. Birds in Namibia. Struick Nature
山口進, 1996. 砂漠の虫の水さがし(たくさんのふしぎ136).福音館書店
山口進, 2017. 珍奇な昆虫. 光文社


# by isohaetori | 2019-08-01 06:00 | 昆虫採集・観察(陸)

ナミビア旅行記(7) 事件発生

ナミビア旅行記(6)からの続きです。


2月10日(日)

引き続き北部のツメブ周辺での探索である。『ドローン墜落の宿』を出て、100kmほど離れた場所にあるSロッジへと向かう。
途中で待ちに待った大雨が降った。雨の後は虫が多く現れるので、夜が楽しみだ。
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ロッジに到着。なんだか変な虫が飛んでいるなと思ってよく見ると、丸い鞘翅のベニボタルだった。
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ここのガレッタは少し赤っぽい。





ここはマンティコラの本命ポイントと目していた場所である。事前に某国の研究者から、ちょっと前にここでマンティコラを見たという確実な情報を得ているのだ。丸山さんの人脈恐るべしである。夜になるのを待ち、ここにいなかったらどこでだって無理だろうと、鼻息も荒く歩き回った。

おまんじゅうのような可愛いカエルがいた。
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そしてついに。
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産卵しているメスだ! お尻を上下に動かしつつ、卵を産みこむ穴を掘っているようだ。
後ろには盛り土ができていて、けっこう深く穴が掘ってあるように見える。はて、ハンミョウのお尻にこんな土木作業ができるような器官はあっただろうか。しばらく観察したがよく見えなかったので、腹部の構造は後で調べてみることにする。

マンティコラの写真を撮る私。白いのはツインストロボ用のディフューザーで、手作りしたもの。
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結局、この日の夜歩きでマンティコラの♀2頭を発見した。産卵行動の観察もできた。時期は終盤という感じがするが、貴重な場面を見られて感無量である。生きていてよかった。



2月11日(月)

今日は虫のことは忘れ、エトーシャ国立公園へ行くことにした。せっかくアフリカに来たのだから、サバンナの動物を見ない手はないという判断である。

ここはエトーシャ・パンという湿地が有名で、乾季にはアフリカらしい野生動物がたくさん集まる場所である。今は雨季のため分散してしまっていたが、それでも車を走らせているとさまざまな動物が現れる。

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インパラ。


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キリン。



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ヤマシマウマ。



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オグロヌー。



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遠くの池に、フラミンゴの群れがいた。



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ライラックニシブッポウソウ。おとぎの国にいそうな、という言い回しがこれほどぴったりくる鳥もいないと思う。望遠レンズが欲しかった。


車内から見る動物たちに大興奮する我々だったが、その後がたいへんよろしくなかった。帰り際にゲートで荷物チェックがあり、後部座席にドローンがあるのを見咎められたのである。ゲートのおばちゃんの表情が、一瞬にして険しくなった。

「ここはドローン禁止なのよ! 他の荷物も見せなさい」


やってしまった。壊れたドローンを積みっぱなしにしていたのを、すっかり忘れていたのである。国立公園内ではドローンの使用は禁止なのだが、所持すらダメだったとは。

職員が続々と集まってきて、かなり険しい雰囲気が漂いだした。ただでさえ強いおばちゃんの目ヂカラが五割くらいアップしている。怖い。そして主犯格とみなされたのか、丸山さんは問題のドローンとともに事務所に連れて行かれてしまった。


車に残された私と白川さんも追及されることになった。虫採り網や整理済みの標本、旅の序盤で拾った何かの角まで積んでいたので、完全に密猟者扱いをされてしまったようだ。荷物も全部開けられ、レンジャーにあれこれと問いただされた。どうも本格的にまずいことになってきた。

追い込まれた私は、確かに我々は虫屋だが、他の土地での採集は許可を取っているし、この公園内では何も採集していない、絶対してないと拙い英語で力説した。実際、この国立公園に来てからは動物の写真を撮っていただけで、虫一匹採っていないのである。白川さんの場を和ませる巧いトークもあり、車の荷物に関しては何とか切り抜けることができた。


事務所に行くと、丸山さんはいかつい男たちに囲まれ、厳しい取り調べにあっていた。やはりドローンを所持していたことが問題になってしまったのだ。

とはいえ、前の宿で墜落して壊れてしまったドローンである。当然それ以来使ってもいない。これは壊れていて飛ばせないのだと丸山さんが必死に説明し、職員の目の前で実際に操作してみせることでなんとか収まった。とてつもなく長く感じられた時間であった。筒井さんには申し訳ないが、ドローンが壊れた状態で本当に助かった。もし使える状態だったら疑いは晴れなかったかもしれない。そうなるとどんな罰則が待っていたことか。

ここでは結局罰金を払うということで決着し、最寄りの警察署へ支払いに行った。この時ばかりは緊張していて、さすがに写真を撮っていない。



憂鬱な気持ちでロッジに戻り、気をとりなおして夜の探索に移る。昨夜より条件が良く、産卵しているマンティコラをいくつも見つけた。お尻をときどき動かしている様子を動画に撮った。





オスは一頭だけ見つかった。脚先などがあちこち欠けていて、やはり時期が遅かったようだ。種はManticora livingstoniだった。

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ライオンゴロシの花が咲いていた! トゲトゲした実をつけることで有名なやつである。憧れの植物だったのでたいへん嬉しい。

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社会性のクモ、Stegodyphus sp.(イワガネグモ科)の巣を見つけて感激した。血縁関係にある数十頭からなるコロニーである。住居部分と狩り用の網部分がある。素晴らしい! 良いものを見た。

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次第に雨が強くなってきたので、夜回りは切り上げることにした。私のカメラは防水でないので、こういう時に弱い。

ロッジに戻って、お疲れさまのビール。本格的な虫探しは今夜で最後だ。長かった旅行も終わりに近づいている。当初のお目当てだった虫たちは一通り見ることができた。最後に違反キップを切られて意気消沈したが、虫についてやれることはやり、大きな成果が上がったという達成感がある。旅行に出て、虫はもう満足かな、と思ったのは初めてのことだ。


ナミビア旅行記(8)へと続く。次が最終回です。


同時進行中の丸山さんの旅行記はこちらからどうぞ!

# by isohaetori | 2019-07-20 06:00 | 昆虫採集・観察(陸)

ナミビア旅行記(6) 北部へ転戦

ナミビア旅行記(5)からの続きです。

2月7日(木)
朝起きたら、ずいぶん楽になっていた。測ってみるとバッチリ平熱。やっと治った。しかしこの程度で済んでよかったと思うべきだろう。丸山さんと白川さんには心配をかけてしまい本当に申し訳ない。

三日間お世話になった(ほぼ寝ていた)ロッジをチェックアウトし、いざ北部のツメブ方面へ。行きがけに最寄りの海岸でモモイロペリカンを見た。
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丸山さんの優しさにより、最後にもう一度キリアツメ探しに挑戦しようということになった。ずっと寝込んでいた私のために時間を作って頂き、ありがたい限り。
そういうわけで、朝のうちに目ぼしいポイントに立ち寄ってもらった。しかしうまくいかないもので、キリアツメどころか他の虫の姿すら見当たらなかった。よほど気象条件の整った時でないと現れないのだろう。これは仕方ないね…という判断を下し、改めて北部へ移動することにした。残念だけれど、虫探しは狙い通りにゆかないことも多いのだ。


ここからは宿も決まっていない、行き当たりばったりの旅である。 私はとりあえずオカハンジャまでを担当し、4時間ほど運転した。長距離の運転にも慣れてきたし、どこへ行っても景色が良いので運転は苦にならない。


道中で検索して見つけた宿はなかなかよかった。ロッジではなく、頑丈な軍用テントみたいなのに泊まるのである。しかしちゃんとベッドもあり、しかも安い。地面を見るとそこらじゅうに穴が開いており、虫が多いのが一目でわかった。植生が豊富で、直前に雨が降ったらしいのも好条件だ。
夕食の後、車から電気を引いてライト点灯。スカラベがたくさん飛んできた。
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憧れだったゾウゴミムシダマシ。重戦車のようないかめしい姿で、しかも大きい。めちゃくちゃカッコいい。


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立派なナンバンダイコクがいた。


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大きなコメツキムシ。Tetralobusという属だろうか。この幼虫はシロアリの巣内で育つという。


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好蟻性のミツギリゾウムシ。


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ウスバカゲロウの一種が産卵していた。


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なぜかトタテグモが巣の外に出てじっとしていた。よくよく見ると巣の中にアリが入り込んでおり、それを嫌がって出てきたようだった。


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巨大なヤモリ。ものすごく迷惑そうにしていた。


テントの前でメンフクロウに出くわした。私がテントを出た瞬間、翼を広げてこちらへ飛んできたところを鉢合わせしたのである。お互い気がついたのがほぼ同時で、「あっ、やべっ」という感じで慌ててUターンするメンフクロウが可愛かった。メレ山メレ子さんが書いていた通り、正面顔が完全に源氏パイだった。しかし一瞬のことだったので写真はない…。

夜の虫探しは楽しいのだが、私は病み上がりでもあるし、翌日の移動のことも考えて早めに寝た。


2月8日(金)
朝5時30分に目が覚め、トイレの灯りをチェックする。まったく大したことのない灯りなのだが、光の波長が適しているのか、ここだけ細かい甲虫がたくさん落ちている。
薄毛のライオンコガネといった風情のコガネムシがいた。地面に怪しい土盛りがいくつもあり、そこをほじくると出てくる。
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そしてついに! テントのすぐ横にマンティコラが現れた!
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ついにやった! この旅の目的のひとつ、正真正銘のマンティコラである。ちなみにこの個体はメス。
そこから慌てて周囲を探すが、結局他の個体は見つからなかった。

ピカピカのフンコロガシ、Garettaの一種が糞球を転がしていた。いかにも不器用だが一生懸命という感じで、見ているこちらもつい力が入ってしまう。


虫の多い環境に後ろ髪を引かれつつ、200kmほど移動して次の宿へ。ここの敷地にはコサイチョウの一種がたくさんいた。実に美しい鳥だ。
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夜は部屋から延長コードを伸ばし、テラスでライトトラップを行った。蒸し暑い好条件で、ものすごい数の虫が飛来した。
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変わったコガネムシ、キロン(Chiron sp.)も飛んできたので狂喜した。こいつは小さいが大顎が発達しており、体はヒョウタンゴミムシを小型にしたような変てこなコガネムシである。アフリカやマダガスカルを中心に少数の種が分布し、ごく一部のコガネオタクには人気がある(と思う)。
この日はガも多かった。美しい大型のヤママユが多数飛来したが、虫を見て回るのに夢中で、この日はあまり写真を撮っていない。


2月9日(土)
朝食の後ロッジ周辺を見回り。しかし環境は悪くなさそうなのに、不思議と虫が見つからない。私の目が悪いのだろうかと落ち込みそうになったが、丸山さんや白川さんも苦戦したようだ。何より日差しがきつく、あまり頑張ると熱中症になってしまいそうである。

暑さでばてるとロッジで休憩した。白川さんがニンテンドーswitchを持ってきていたので、合間にマリオカートで遊ぶ。ゲーム会社に勤める白川さんはさすがにうまく、丸山さんも私も簡単にやられてしまう。しかし丸山さんはすっかりハマって腕を上げ、旅の終盤にはかなりの接戦を繰り広げるようになった。


そうこうしているうちに夜になり、ライトトラップの時間である。しかし、昨夜はあれほど虫が来たのに、この夜のライトは成績が悪かった。雨が降って気温が少し低いせいかもしれない。

ロッジの壁にナガイボグモの一種が棲んでいた。科レベルで見たことのないクモなのでとても嬉しい(ナガイボグモ科のクモは、日本では沖縄に行かないと見られない)。
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ガの仲間をくるんで食事をしているところ。



2月10日(日)
チェックアウトの日である。鍵を返した後、筒井さんが置いていったドローンを飛ばしてみようということになった。
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ところが、丸山さんが操作している時、ドローンが突然コントロール不能に!
「あー!! やばいやばい!」
悲痛な叫び声、そして急降下するドローン。



一同「…………」

石垣にぶつかる嫌な音が響き、筒井さんの高価なドローンは壊れてしまった。ローターは回転するのだが、離陸ができない。

「これ、結構高いんだよね?」
「確か10万円くらい…」
筒井さん、本当にごめんなさい。
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犬「(何してるのこの人たち…)」

やっちゃった感を車内に満たしつつ、さらに100kmほど北へ移動する。次こそがマンティコラの本命ポイントである。



丸山さんも旅行記を同時公開中! こちらからどうぞ。

# by isohaetori | 2019-07-17 17:24 | 昆虫採集・観察(陸)

ナミビア旅行記(5) ウォルビスベイで一回休み

ナミビア旅行記(4) からの続きです。

2月4日(月)
このロッジの朝食はビュッフェ形式で、お腹いっぱい食べられる。各種のチーズがあり食べ比べが楽しい。ヤギのミルクで作ったチーズは美味しいが、かなり癖がある。こういう日本ではあまり出会えない食べ物が嬉しい。

出発前、駐車場にあったトランポリンで遊んだ。コロンと転がる丸山先生がちょっと可愛い。これはファンの喜びそうな映像が撮れたぜ、しめしめ(ゲス顔)




ロッジを出て、ウォルビスベイという港町へ向けてひたすら走る。これから目指す海岸沿いの砂丘では、キリアツメ、もしくはサカダチゴミムシダマシと呼ばれるゴミダマを探す予定だ。ついに幼いころからの憧れが現実になる! 期待に胸が膨らむ。

しかし妙なことに、長時間運転していると気分が悪くなってきた。行程の半分くらいを走ったところで限界を感じ、丸山さんと運転を交代してもらった。どうもおかしい。車酔いはめったにしないのだが。

途中の海岸近くで車を降り、道路脇の砂丘を見てみる。海からの風が寒い! そして潮の匂いを嗅ぐのは久しぶりだ。
白川さんと私。
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ここは別の砂丘。
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ロケハンを終え、ウォルビスベイの宿にチェックイン。荷物を置き、どうにもだるいので体温を測ってみたら、38度を示していた。ここにきてまさかの発熱である。興奮しすぎての知恵熱か、暑気あたりか、疲れがでたか。全部かもしれない。思えば今日の移動の時点で熱が出ていたのだろう。今夜は砂丘を歩く予定だったのだが、私は外出をやめて養生することにした。せっかく憧れの砂丘に来たというのに、悔しい。


2月5日(火)
昨夜から熱は上がったり下がったり。振り返ってみると、これまで連日のように夜遅くまで採集し、昼は休息と言いつつも暑い中をそれなりに出歩き、なんだかんだで疲労が溜まっていたのかもしれない。
それにしても異国の地で体調を崩すのは不安なものである。熱を下げるべく、わざと厚着をしてベッドに入り、汗をかく努力をする。塩分不足を感じ、時折ふらふら起き出しては台所でペロペロと塩を舐める。奇怪な行動である。はた目には何かの妖怪としか思えない。

昼過ぎに丸山さんと白川さんが戻ってきたので、昨夜見つけたというエンバンゴミムシダマシ(ミゾホリゴミムシダマシ)を見せてもらった。体全体が白い、憧れのゴミダマである。驚いたことに、後脚を鞘翅の縁に擦り付けて発音した! これは興味深い。何か交信に使っているのかもしれない。


一日寝ていたら少し持ち直したので、夕方から私も砂丘の虫観察に行くことにした。
事前に本で読んでいた、ナラAcanthosicyos horridusの実があって感激した。葉らしい葉がなく、トゲばかりの怪しい姿をしているが、これでも一応ウリ科らしい。
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その実はナラメロンと呼ばれ、現地の人々の貴重な現金収入源になっている。種子からはオイルが採れ、果肉は甘くて美味しいらしい。食べときゃよかった。

その群落周辺に、黒い小型のゴミダマがちらほら。可愛い。
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派手な色のゲンセイが、ナラの枝先で休んでいた。捕まえると黄色い液体を出す。


夜になるとエンバンゴミムシダマシが目につくようになってきた。昼間はまったく見当たらなかったのに、まるで砂から湧いて出たようだ。かと言ってどこにでもいるわけではなく、砂がさらさらした斜面の際の、植物群落のあるあたりに多いようだった。砂が硬くしまっている場所にはまったくいない。
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彼らは霧の出た日に変わった行動をとることで知られている。小さなブルドーザーのように溝を掘って土手を作り、そこに凝結した水分を飲むのである。光にかなり敏感で、すぐに縮こまってしまううえに、そもそも脚を伸ばした姿勢の個体がほとんどいないので撮影しにくい。

かの有名な砂漠のヤモリ、Pachydactylus rangeiにも遭遇した。
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念願だった正面顔の写真も撮れた。長年憧れていたヤモリだ。感激で胸が熱くなる。

これは別の種類のやつ。この手のチョロチョロしてるやつはみんな可愛い。
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宿に帰ると、また熱が出ていた。困ったものだ。明日はまた休むことにする。マラリアの可能性も払拭できず、今夜からマラロンを飲み始めることにした。


2月6日(水)
昨夜は熱が38度を超える時もあり、さすがに不安になってきた。頭が朦朧とする。今日は終日砂丘で過ごす予定だったが、私は宿でひとり留守番をすることにした。この旅の山場となるはずの砂漠をパスすることになるなんて、つくづく情けない限りである。砂漠のキリアツメにはずっと憧れていたのだけれど。

カロナールを飲み、滝のような汗をかいたら少しすっきりした。夕方になるとやっと体温が落ちついたので、キッチンでもそもそと卵がゆを作って食べた。さらに白川さんがたくさん持ってきたお菓子やビタミン剤など、喉を通るものをできるだけ食べると、気持ちが前向きになってきた。

夕方、丸山さんと白川さんが帰ってきた。キリアツメをおみやげにくれて、ありがたし。キリアツメは日中の風が強いなか、砂丘を走り回っていたという。憧れのキリアツメは想像以上に大きく黒く、つやつやと輝いていた。

結局、私はこいつの野外での姿をついぞ見ることがなかった。無念。



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# by isohaetori | 2019-07-12 06:00 | 昆虫採集・観察(陸)

ナミビア旅行記(4) 筒井さん帰国、白川さん到着

ナミビア旅行記(3)からの続きです。

2月1日(金)
キャンプ場を後にし、前日から気になっていた岩山を歩いてみた。荒々しい、迫力ある景観である。
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筒井さん、広大なナミビアの大地に立つ。

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白い模様のあるStenocara sp.がいくつか見つかった。脚が長く、動きは素早い。

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金色に輝くチビタマムシがいた。花も少し咲いていて、少数ながらハチも飛んでいた。じっくり撮影したかったが、今日はそれなりに距離を稼がなければならないので、あまりのんびりはしていられない。


途中のスーパーで昼食をとる。
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ポテトの揚げたもの、魚の揚げたもの、鳥の揚げたもの。とにかく揚げときゃいいんだろ!的な雑さが良い。肉は硬めだが、美味しい。


本日のロッジ。広大な荒れ地の中にあり、近隣に住民はまったくいなさそうである。
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車に備え付けの冷蔵庫からビールや食料を出す。

ここで最も衝撃的だったのは、巨大なトゲトゲのキリギリスである。
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メカっぽさがすごい。のんびりしていて、動きは鈍い。ちょっと間が抜けた感じの顔も可愛い。ペットにしたいくらいだ。しかし捕まえると青臭い妙な液体を胸のあたりから噴射してきた! これにはかなり怯んだ。

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アンティアもいた。この種はナミビアに広く分布しているようだ。

この日も水銀灯を点けたがほとんど虫が来ず、あまつさえ夜10時半にはロッジの電気が切れてしまった。車のシガーソケットから電気を取って夜店を続行したが、やはりいまいち。
筒井さんは風邪気味とのことで、早めに切り上げることにした。


2月2日(土)
8時に母屋の棟で朝食。パンやハムやチーズのシンプルな食事である。
建物の周りの茂みを探すと、大きなコブスジコガネがいくつも見つかった。猛禽のペリットが少なからずあり、どうやらそれに来ているようだ。主人によると、建物の屋根にはフクロウが住んでいて、たまにトコトコと足音が聞こえるそうである。生息環境が分かって嬉しい。
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ここは面白い虫が多かったのでそれを伝えると、最近モスクワのチームも採集していったとのこと。納得である。それも雨が降ったかどうか、電話で確認してから来たようだ。雨のあとは虫が一気に出るので、これは賢いやり方だと思う。ライトと白幕を持ってきて、ライトトラップをやっていたらしい。

明日は筒井さんが帰国する日である。道みち風景写真を撮りつつ、のんびり首都へと向かう。
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途中の幹線道路を、リクガメが横断していた。慌ててUターンして拾い上げる。
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可愛い。車に轢かれなくてよかった。道から離れた草むらに放した。

長いドライブを終え、最初に泊まったロッジにチェックインした。筒井さんはドローンをこれからのために置いていってくれるとのことで、操作方法を習った。
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こういう写真が撮れるなんてすごいなあと、口を開けてアホみたいに感心した。
夜は敷地内を軽く見回った後、お疲れさまの乾杯をした。こちらに来てからというもの、ビールばかり飲んでいる。


2月3日(日)
朝4時30分に起き、筒井さんを空港まで送る。あっという間の十日間だった。筒井さんの豊富な引き出しの中から出てくる話は何でも面白く、道中はいつも楽しかった。
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ロッジに戻り、朝食。しっかり食べ、今日は休息日というつもりでだらだらする。洗濯、爪切り、二度寝など。
白川さんがナミビア入りしたので、午後から空港へ迎えに行った。白川さんは丸山さんのお友達で、一見危なそうな外国にも一人で出かけていく、めちゃくちゃに行動力のある女性である。単身ニューギニアに渡り、ジャングルの中の地元民の家で暮らしていたこともあるという。世界ふしぎ発見のミステリーハンターになれそうだ。

陽が落ちてから、3人で敷地内の見回り。エントランス付近の灯りには虫が多かったが、飼い犬が吠えるのであまり近づけなかった。
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ヒメサスライアリが狩りの行軍をしていた。

ウスバカミキリがぽつぽつと見つかる。個体差がけっこうあり、大型のはクワガタのように伸びた大顎がかっこいい。
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灌木の見回りで、大型の個体がひとつ採れた。
私「丸山さん! 超でかいカミキリ採れましたよ!」
丸「お、すごいね! でもまあ、俺はもっとでかいの採ってるけどね(ドヤァ)」
私「子供か!?」
採った虫の大きさで醜く張り合う大の大人…。



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# by isohaetori | 2019-07-06 07:34 | 昆虫採集・観察(陸)