
昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。
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海岸性ハネカクシのニューフェイス
先日出版されたEsakiaの50号に,日本の海岸性ハネカクシに関する論文が二題掲載された.著者はいずれも丸山さん.
Maruyama, M. 2011. New record of the seashore genus Heterota (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae) from Japan, with description of a new species. Esakia, (50): 97-104. →PDFダウンロード
本論文により,Heterota属(ウシオハネカクシ属,新称)が日本から初めて記録された.三種を認め,うち一種が新種として記載された.
サンゴウシオハネカクシHeterota arenaria Cameron, 1920 分布:インドネシア[バリ島],シンガポール,日本[石垣島]
ウシオハネカクシH. onorum Maruyama, 2011 分布:日本[神奈川県,千葉県]
キアシウシオハネカクシH. sunjaei Park & Ahn, 2008 分布:韓国,日本[千葉県,神奈川県,和歌山県,島根県]
この三種は不肖いそはえとりが発見に関わった思い出深い虫であるので,その経緯について少しだけ書いてみたい.
この属のハネカクシを初めて見つけたのは館山市の海岸で,2007年6月のことだった(→その時の日記).『岩礁の岩の間隙』という微環境が海岸性甲虫の重要なニッチであることが分かってきて,独りで海岸を調べ回っていた頃である.もちろん何らかの虫が出ることを狙って探していたわけだけど,まさかこんな見たこともない虫がわらわら出てくるとは思いもよらず,岩場から転げ落ちそうになるほど驚いた記憶がある.
これは面白い虫を採ったと直感したので,当時シカゴの博物館に勤務されていた丸山さんへ即座に送った.これがキアシH.sunjaeiであった.この種はその後神奈川県でも採集することができた.また,島根県からは端山さんが,和歌山県からは河上康子さんが採集された.これは韓国との共通種であり,日本各地にも広く分布しているのだろう.
その後,2009年2月に妻と石垣島に行くことになり,真っ先に頭に浮かんだのはこの属のハネカクシのことであった.本土とはあれだけ離れているのだから,当然別種が生息している可能性があるだろうと踏んだのである.そこで島に着いてからは岩礁と砂浜が同居しているような環境を重点的に探した(→その時の日記).
その狙いは当たっていて,千葉で見てきたものと明らかに同じ属のハネカクシを掘り当てたときは思わず「採ったど~」をやった.これは今回の論文でサンゴH.arenariaと同定された.H. sunjaeiよりも明るい色調であることが多いが,個体変異も結構あり,ゲニを見るのが確実のようだ.
この海岸では他にもトカライソジョウカイモドキの幼虫と蛹,ババチビドロムシ,サンゴチビドロムシ,後翅の退化した属不明のセスジハネカクシなど,素敵な虫をたくさん採ることができ,思い出深い採集となった.
三種目のHeterotaはそういう劇的な出会いではなく,採ってからしばらく経ったタトウの中から見つけ出した.
2008年10月に真鶴岬で海藻を篩い,大量のハネカクシを採集したのだが,その時はマウントすることもなくタトウにしまいこんでしまった.それから一年ほど経ち,海岸性のAleocharaを全部見直すべくその時の採集品をチェックしている時,見慣れぬHeterotaがいることに気がついたのであった.今までに見てきた二種とは明らかに体型が異なり,交尾器も独特だった.こんな顕著な種をソーティングの段階で見落とすなんて! よくよく見なおしてみると,昔館山で採ったH.sunjaeiの標本の中にも一頭だけこいつが混ざっていた.二重の見落としをしていたわけである.ああ恥ずかしい.
で,この見落としていたやつは新種だったと分かり,たいへん光栄なことに,我々夫婦に献名して頂けることになった.虫に名前がつくなんて初めてのこと.もう虫屋冥利に尽きるという感じで大変嬉しい.丸山さんありがとうございました!
もう一本.
Maruyama, M. 2011. New record of the seashore genus Salinamexus (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae) from Japan, with descriptions of a new species. Esakia, (50): 105-114. →PDFダウンロード
Salinamexus属(ハマハネカクシ属,新称)を国内から三種認め,うち一種が新種として記載された.今回報告されたのは以下の三種.
ハマハネカクシ Salinamexus browni Moore & Legner, 1977 分布:メキシコ,日本[島根]
ヒメハマハネカクシ S. hayamai Maruyama, 2011 分布:日本[千葉,島根]
チョウセンハマハネカクシ S. koreanus Jeon & Ahn, 2007 分布:韓国,日本[島根]
新種は発見者である端山武さんに献名された.私はこの三種のうちヒメハマS. hayamaiしか採ったことがないが,この類は潮間帯から潮上帯にかけて見られ,海藻やその下の砂礫を篩いにかけて採集されるようである.さらさらの砂浜ではなく,もっと粒の荒い礫混じりの環境に多いように思う.また,端山さんによればこの三種ともFITに入るそうなので,それなりに飛翔もするらしい.やたら細長い独特の体型をしているので,他属との区別は比較的容易である.
興味深いのはハマH. browniの分布.これはメキシコの海岸から記載された種なのだが,それが遠く離れた日本にも分布するというのは驚きだった.
さて,今回一気に6種の海岸性ハネカクシが日本のファウナに加わったわけだが,いずれも個体数が目立って少ないということはない(はず).論文内では鮮明な写真が示されているので,同定もしやすいと思う.海岸性昆虫は数年前から再びブームになっているようだし,これを機に各地から報告が増えてくるんじゃなかろうか.
Maruyama, M. 2011. New record of the seashore genus Heterota (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae) from Japan, with description of a new species. Esakia, (50): 97-104. →PDFダウンロード
本論文により,Heterota属(ウシオハネカクシ属,新称)が日本から初めて記録された.三種を認め,うち一種が新種として記載された.
サンゴウシオハネカクシHeterota arenaria Cameron, 1920 分布:インドネシア[バリ島],シンガポール,日本[石垣島]
ウシオハネカクシH. onorum Maruyama, 2011 分布:日本[神奈川県,千葉県]
キアシウシオハネカクシH. sunjaei Park & Ahn, 2008 分布:韓国,日本[千葉県,神奈川県,和歌山県,島根県]
この三種は不肖いそはえとりが発見に関わった思い出深い虫であるので,その経緯について少しだけ書いてみたい.この属のハネカクシを初めて見つけたのは館山市の海岸で,2007年6月のことだった(→その時の日記).『岩礁の岩の間隙』という微環境が海岸性甲虫の重要なニッチであることが分かってきて,独りで海岸を調べ回っていた頃である.もちろん何らかの虫が出ることを狙って探していたわけだけど,まさかこんな見たこともない虫がわらわら出てくるとは思いもよらず,岩場から転げ落ちそうになるほど驚いた記憶がある.
これは面白い虫を採ったと直感したので,当時シカゴの博物館に勤務されていた丸山さんへ即座に送った.これがキアシH.sunjaeiであった.この種はその後神奈川県でも採集することができた.また,島根県からは端山さんが,和歌山県からは河上康子さんが採集された.これは韓国との共通種であり,日本各地にも広く分布しているのだろう.
その後,2009年2月に妻と石垣島に行くことになり,真っ先に頭に浮かんだのはこの属のハネカクシのことであった.本土とはあれだけ離れているのだから,当然別種が生息している可能性があるだろうと踏んだのである.そこで島に着いてからは岩礁と砂浜が同居しているような環境を重点的に探した(→その時の日記).その狙いは当たっていて,千葉で見てきたものと明らかに同じ属のハネカクシを掘り当てたときは思わず「採ったど~」をやった.これは今回の論文でサンゴH.arenariaと同定された.H. sunjaeiよりも明るい色調であることが多いが,個体変異も結構あり,ゲニを見るのが確実のようだ.
この海岸では他にもトカライソジョウカイモドキの幼虫と蛹,ババチビドロムシ,サンゴチビドロムシ,後翅の退化した属不明のセスジハネカクシなど,素敵な虫をたくさん採ることができ,思い出深い採集となった.
三種目のHeterotaはそういう劇的な出会いではなく,採ってからしばらく経ったタトウの中から見つけ出した.
2008年10月に真鶴岬で海藻を篩い,大量のハネカクシを採集したのだが,その時はマウントすることもなくタトウにしまいこんでしまった.それから一年ほど経ち,海岸性のAleocharaを全部見直すべくその時の採集品をチェックしている時,見慣れぬHeterotaがいることに気がついたのであった.今までに見てきた二種とは明らかに体型が異なり,交尾器も独特だった.こんな顕著な種をソーティングの段階で見落とすなんて! よくよく見なおしてみると,昔館山で採ったH.sunjaeiの標本の中にも一頭だけこいつが混ざっていた.二重の見落としをしていたわけである.ああ恥ずかしい.
で,この見落としていたやつは新種だったと分かり,たいへん光栄なことに,我々夫婦に献名して頂けることになった.虫に名前がつくなんて初めてのこと.もう虫屋冥利に尽きるという感じで大変嬉しい.丸山さんありがとうございました!
もう一本.
Maruyama, M. 2011. New record of the seashore genus Salinamexus (Coleoptera, Staphylinidae, Aleocharinae) from Japan, with descriptions of a new species. Esakia, (50): 105-114. →PDFダウンロード
Salinamexus属(ハマハネカクシ属,新称)を国内から三種認め,うち一種が新種として記載された.今回報告されたのは以下の三種.
ハマハネカクシ Salinamexus browni Moore & Legner, 1977 分布:メキシコ,日本[島根]
ヒメハマハネカクシ S. hayamai Maruyama, 2011 分布:日本[千葉,島根]
チョウセンハマハネカクシ S. koreanus Jeon & Ahn, 2007 分布:韓国,日本[島根]
新種は発見者である端山武さんに献名された.私はこの三種のうちヒメハマS. hayamaiしか採ったことがないが,この類は潮間帯から潮上帯にかけて見られ,海藻やその下の砂礫を篩いにかけて採集されるようである.さらさらの砂浜ではなく,もっと粒の荒い礫混じりの環境に多いように思う.また,端山さんによればこの三種ともFITに入るそうなので,それなりに飛翔もするらしい.やたら細長い独特の体型をしているので,他属との区別は比較的容易である.
興味深いのはハマH. browniの分布.これはメキシコの海岸から記載された種なのだが,それが遠く離れた日本にも分布するというのは驚きだった.
さて,今回一気に6種の海岸性ハネカクシが日本のファウナに加わったわけだが,いずれも個体数が目立って少ないということはない(はず).論文内では鮮明な写真が示されているので,同定もしやすいと思う.海岸性昆虫は数年前から再びブームになっているようだし,これを機に各地から報告が増えてくるんじゃなかろうか.
by isohaetori
| 2011-03-07 22:36
| 本・論文
