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昆虫、特に甲虫を中心とした生き物ブログ。ビーチコーミングやガラスびん収集についても書いています。


by isohaetori

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ナミビア旅行記 前口上

今年の1月から2月にかけ、三週間ほどナミビアへ行ってきた。来る日も来る日も虫を追いかけ、よく笑い、そして長距離ドライブに明け暮れた三週間だった。ここでは虫屋ブログらしく、現地の生きものの写真を中心として、楽しかった旅の記録をつけてみたい。


ことの発端は、虫屋仲間のおじさんたちで集まって飲んだときのことである。昨年(2018年)のはじめごろだったと思う。
その席には九州大学総合研究博物館の丸山宗利さんが来ていて、そこで海外調査の話題が出たのだった。言うまでもなく、丸山さんは数えきれないほどの渡航歴があり、多数の新種を発見されている方である。


丸「近いうちにナミビアへ行きたいと思ってるんだよね」
私「えっナミビア! いいですよねー私も昔から憧れてるんすよ。砂漠の虫が大好きで」
丸「だよねー。じゃあ一緒に行く?」
私「!?!?!? ええっいいんですか!? 行きます行きます! 絶対行きます!!」
まさかの急展開に混乱しつつも、一も二もなく飛びついた。


私は幼いころから外国の、とりわけ砂漠の生き物に憧れていた。逆立ちして霧から水を集めるゴミムシダマシや、熱い砂の上で交互に足を上げ下げするトカゲの映像などは、テレビの生き物番組で何度も観たものだ。そのため彼らがナミブ砂漠という場所にいることは知っていたが、子供がおいそれと行けるような場所ではなく、それは完全に遠い世界の話であった。

その後、虫屋となってからも砂漠への憧れは相変わらず募り、そのあまりにアフリカのゴミムシダマシやフトタマムシを蒐集するようになった。そしてかっこいいゴミダマの標本を眺めては、まだ見ぬアフリカの地に思いを馳せるのだった。そこにきて、ナミビア行かない? というお誘いである。来た、ついに夢が叶う時が来たと思った。酔っぱらった私は帰宅後、へんな叫び声をあげながら床をゴロゴロと転げまわった。
「うおー行くぞ! ナミビア! ナミブ砂漠!!」


ナミビア行きの具体的な話し合いは、昨年秋ごろから始まった。
期間は3週間で、メンバーは合計4人。3週間フルに動くのは丸山さんと私で、前半には丸山さんと親しい虫屋の筒井さんが入り、後半には筒井さんと入れ替わる形で、白川さんという方が入ることになった。現地で頑丈な四駆を借り、ロッジに泊まったりキャンプしたりしつつ、常時3人のメンバーで各地の自然を見て回る計画である。採集については、丸山さんが現地の状況に詳しい海外の研究者と連絡を取り、許可を取っておいてくれた。


出発の何か月も前から、メンバー4人のグループトークで毎日打ち合わせをした。今回の旅の主な目的は、砂漠のゴミムシダマシ、マンティコラ(エンマハンミョウ)、ライオンコガネなどである。そこで過去の出版物や、手元にある標本のデータラベルを片端からチェックした(標本のラベルには、その虫が得られた場所と日付が書かれているのだ)。同時に海外の研究者や標本商など、さまざまな筋からの情報提供を受けつつ、できるだけ多種多様な虫を見られるよう検討が重ねられた。装備のチェックも厳しく行い、「乾燥ワカメはインスタントラーメンに入れると豊かな気持ちになるので、絶対に忘れないように」といった注意喚起も繰り返しなされた。


f0205097_17503757.jpgさて、ナミビアという国に関して、ここで簡単に説明しておきたい。
ナミビアはアフリカ大陸の南西部に位置する。面積は82万4290平方キロメートル(地図の赤い部分)で、これは日本のおよそ2.2倍にあたる広大な国だ。しかし面積のわりに人口は少なく、2017年の時点で約253万人。公用語は英語である。

地形は変化に富み、中でも最も有名なのが国名の由来になっているナミブ砂漠だろう。ここは世界で最も古い時代に成立した砂漠で、8000万年以上の歴史があるとされる。この周辺でしか見られない動植物も数多い。

ナミブ砂漠の美しい砂丘があまりにも有名だが、実は国土のかなりの部分をサバンナや礫砂漠が占めている。
地勢を大まかに分けると、西部の海岸沿いには南北方向に細長く伸びる砂漠地帯が広がり、有名なナミブ砂漠もここに含まれる。その東には大急崖帯と呼ばれる急峻な地形が国土を縦断しており、ここから一気に標高が上がり中央高地となる。さらに東にはボツワナまで続くカラハリ砂漠が広がる。
今回の旅行では国土をほぼ横断し、後半は北部へも足を伸ばすので、一通りの地形を見ることができそうである。そして環境が異なれば、見られる虫もおのずと違ってくるはずだ。楽しみである。


ところで、私はこれまでに一度も海外で採集をしたことがない。英語も「これはペンです」程度しか話せない。虫屋の海外調査スキルとしては、RPGで言うところのレベル1である。しかし! 言うまでもなく丸山さんは余裕でボス戦をこなせるのだ。筒井さんも白川さんも、幾度となく海外で採集している猛者である。もちろん英語も話せる。私のような海外採集未経験者にとって、これほど心強いツアーはない。とはいえ、現地で私が「これはペンです」と言う機会はあまりなさそうなので、私は英会話の本を買ってきて予習をする必要に迫られた。


場所が場所だけに、感染症対策も万全にする必要があった。A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病の予防接種である。中でも狂犬病は特に恐ろしい病気なので、絶対に受けておかねばならなかった。ものはついでだからと風疹麻疹の2種混合(MR)もやり、これで妊婦さんにも迷惑をかけない身となった。短期間にこれほど注射を打たれまくったのは初めてである。
f0205097_18201054.jpg
予防接種の履歴。

マラリア対策としては飲み薬のマラロンを処方してもらい、これで万全だぜと思っていたら、愚かにも出発直前に風邪でダウンしてしまった。張り切り過ぎた遠足前の小学生みたいである。やっと熱が下がったのは出発前日。というわけで、病みあがりでふらふらしつつアフリカへ向かうことになったのだった。大丈夫だろうか。

ナミビア旅行記(1)へ続く! (公開しました)

※丸山さんも同時に旅行記を公開しています。こちらでどうぞ!


by isohaetori | 2019-06-29 06:00 | 昆虫採集・観察(陸)